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一件正しいように見える米の東アジア外交

 

東南アジア外交 ― ポスト冷戦期の軌跡 (現代選書)

東南アジア外交 ― ポスト冷戦期の軌跡 (現代選書)

  • 作者:加納 雄大
  • 発売日: 2020/11/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

一件正しいと思えることも、全体像からすれば、かなりの危うさを感じずにはいられません。

 「 サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は29日、ワシントンの政策研究機関「米国平和研究所」(USIP)で講演し、「中国に対し、新疆ウイグル自治区や香港での振る舞いや、台湾への敵意や脅迫への対価を払わせ、行動をとる準備をすべきだ」と述べ、バイデン政権が中国に厳然とした対応を取っていくことを強調した。
 サリバン氏は中国への対抗策としてまず、中国による「自国の(統治)方式の方が米国よりも優れている」とする主張を封じるため、米国内での人種間の不平等や経済格差の是正を通して、「米国の民主主義の根本的な基盤の立て直し」を進めると表明した。
 また、欧州やアジアの同盟・パートナー諸国と連携し、「自由で繁栄し、公平な社会」の構築を進めるほか、人工知能や量子計算などの先端技術分野での競争で優位に立つと訴えた。
 日米とオーストラリア、インドの4カ国で構成される「クワッド」による協力は「インド太平洋地域における米政策の基礎となる」とも指摘した。欧州諸国との関係でも、「中国に対する取り組みが最優先の課題となる」とした。
 一方、サリバン氏はイラン情勢に関し、「イランはトランプ前政権が核合意から離脱して以降、核兵器保有に確実に近づいた。弾道ミサイル技術も過去4年間で劇的に進化した」と語り、外交交渉でイランの核開発計画を封じ込める必要があると強調した。
 サリバン氏は、イランに核合意を順守させた上で、弾道ミサイルの開発制限や、イランによる周辺諸国の親イラン系武装勢力へのテロ支援の停止に向け取り組むとした
 バイデン政権は29日、国務省のイラン担当の特別代表にロバート・マレー氏を任命した。ロイター通信によるとマレー氏は同日、イラン核合意の参加国である英仏独の高官らと今後の対応に関し協議した。

【バイデン新政権】サリバン補佐官、中国に「ウイグルや香港、台湾の対価を支払わせる」と強調 - 産経ニュース

アジアの部分だけ見れば、ほとんど満点解答な訳です。しかし、バイデン政権がイランとの核合意に復帰したがっていることはこの記事からも伺うことが出来ます。つまり、イラン以外の湾岸諸国との関係を無視しているのです。せっかく出来たイラン包囲網がこれでは崩れてしまいます。

その件に関しては以前のエントリーをご参照ください。