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伝染病対策がとれない日本の弱さ

コンテイジョン (字幕版)

 いろいろいっても、日本には国民の生命を守る、その上で筋を通すという文化が欠如しているようです。今回の新型肺炎対策に関しても、米軍関係者から批判が寄せられているようです。

  まず、第一に、帰国した患者が隔離されていないという事です。検査を拒否した帰国者を帰宅させてしまい、用意した施設は個室が足りず、相部屋になった人の中から感染者が出てしまいました。帰国者に検査を強制するのは当然ですし、収容施設が相部屋というのも信じられない話です。報道などでは厚労省の手配ということですから、厚労省が「隔離」を理解していなかったということになるでしょう。

 米国の場合は米軍の基地の中に隔離されました。その場合、周囲は愚か基地の米軍兵士将官からも完全に接点はありません。対応に当たるのは疾病予防センター、泣く子も黙るCDCです。

 日本の場合は千葉県の勝浦にある宿泊施設が収容先となりましたが、収容施設を巡って地域や学校などで様々な差別が生じているといった事態も発生しているようです。「施設を提供したのはいいが、風評被害などその後はどうするのか。関係者のメンタル的な問題やPTSDの可能性もある。そういうリスクまで日本政府は考えたのかどうか」とその米軍関係者は日本の対応を批判しています。

 またチャーター機の費用の問題も日本の場合は政府が負担することになってしまいました。しかし、今回武漢から引き揚げた人は政府の命令で派遣された人はほとんどいないはずです。政府の仕事で中国に行ったのでなければ、会社や個人の旅行の場合であれば、エコノミーの料金は徴収されるのは当たり前だろうというのです。

また、国務省は1月30日、中国への警戒レベルを引き上げ、渡航を禁止し、過去2週間以内に中国渡航歴がある外国人の入国を一時的に禁止しました。ロシアは中国との国境を閉鎖した。だが日本はまだ中国からの観光客を受け入れています。

 これは緊急事態という認識が日本の政府に欠けているということでしょう。「中国からの観光客はストップするのが当然だ。人権や経済損失の問題ではない」というのは至極正当な判断でしょう。その判断が現在の日本政府にできない。これは致命的な問題ではないでしょうか。

「日本は甘すぎる」新型肺炎対策に米軍関係者が苦言|NEWSポストセブン

やはり今のままでは良くないといわざるを得ません。また東日本震災のような大きな災害が起きれば、例えば首都圏直下型巨大地震が発生すれば、多くの人命が失われる事でしょう。今からでも遅くはありません。個人のレベルでの対応が声明を左右することでしょう。