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ゴーンは逃げ切ることができるのか?

カルロス・ゴーン 国境、組織、すべての枠を超える生き方 (私の履歴書)

 レバノン政府としても対日関係を悪化させて区内でしょう。

  日本に取ってレバノンは、一般的に考えられている以上に重要な国家であるということを指摘しておかねば成りません。とくに2001年の同時多発テロ以降は日本に取って極めて重要な友邦国であると言えます。それではレバノンの売り何なのかといえば、中東和平のバランサーという側面があります。日本政府も中東和平には関心を持っており、それは訪問する政府要人から確認出来ます。

1995年10月 福田外務政務次官

1995年10月 福田外務政務次官

1997年4月 逢沢一郎外務委員長森喜朗日・レバノン友好議連会長一行

1999年1月 高村外務大臣

2001年8月 杉浦外務副大臣

2002年6月 有馬政府代表(中東和平担当特使)

2004年8月 田中外務大臣政務官

2009年12月 飯村政府代表(中東和平担当特使)

2010年11月 徳永外務大臣政務官

2014年1月 牧野外務大臣政務官2015年5月

薗浦外務大臣政務官

2017年1月 薗浦外務副大臣

2017年9月 佐藤正久外務副大臣

レバノンにはイランを支持するレバノンヒズボラもあり、イスラエルも隣国です。様々な方面から情報がひりやすい場所で、あるのは確かです。この地域の平和が維持できれば、日本に取っても大きな功績になります。したがって、レバノンは表に出ないものも含めて日本の恩恵を被っている国であると言えます。さらに言えば、レバノンでは10月半ばから、首都ベイルートその他の都市で反政府デモによる混乱が広がり、サード・ハリリ首相が辞意を表明する事態となった。既に危機に陥っていた経済への信頼感は揺らいでいる。政情が不安定なところに、日本との関係の悪化を招きかねない事件が起きたわけです。レバノン政府が日本の要求に全く答えない状況が長期にわたって続くとは考えにくいのです。とするならば、いつまでもゴーン引き渡しの要求は無視できないと考えるべきでしょう。恐らく確実に言えるのは、フランスのパスポートは今後は使えなくなると言うことです。結局もう一つの国籍を持つブラジルまで逃げることになるのではないでしょうか。レバノン政府も、厄介ごとはこまるので期限を切って国外に退去させるでしょう。いずれにせよ、保釈金を積んでおいて逃亡したわけですから、これでれっきとした犯罪者です。どこまで逃げられるのか、そのまえに資産をどう隠すのかがゴーンにとっての緊急の課題になるでしょう。