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高まる中東の緊張

[新版]中東戦争全史 (朝日文庫)

 現在のイランの問題は、アメリカによる徹底した経済制裁で国家体制そのものが脅かされていることでしょう。そのためにサウジの製油施設攻撃もあったわけで、これがイエメンのフーシ―派の単独犯行であったとはだれもしんじないでしょう。それならばとアメリカが試みたのは、それ以外の地域にいるイラン支持勢力を攻撃することでした。それに刺激されイランの新イラン勢力がアメリカ大使館に乱暴狼藉を行っているというのが現在の状況です。

 「 アメリカ軍が、イラク国内のイランが支援する武装組織の拠点を空爆したことに対し、武装組織の支持者らが首都バグダッドにあるアメリカ大使館の前で激しい抗議デモを行いましたトランプ大統領は「イランが仕組んだものだ」と非難し、アメリカとイランの間で緊張が高まることが懸念されます。
 イラクでは先月、北部のキルクーク近くにあるイラク軍基地にロケット弾が撃ち込まれて駐留するアメリカ軍関係者に死傷者が出たことから、アメリカ軍は報復措置としてイランが支援するイスラムシーア派武装組織がイラクなどに築いた拠点を空爆しました
 これを受けてイラクの首都バグダッドアメリカ大使館の前では31日、攻撃を受けた武装組織の支持者らが抗議デモを行い、大使館の敷地を囲む壁に火を放ったり、石を投げたりしました。
 アメリカ大使や職員らは安全のために避難したと伝えられていましたが、その後、アメリ国務省は、大使は所用でもともと不在だったと明らかにしました。
 激しい抗議デモについて、トランプ大統領ツイッターに「イランが仕組んだものだ。イランに責任をとらせる」と投稿し、イラクで影響力を強めるイランを非難しました。
 トランプ大統領は、11月の大統領選挙をにらんでイランに対してより厳しい態度で臨むという見方も出ていて、ことし、両国の間で緊張が高まることが懸念されます。
 イラクの首都バグダッドにあるアメリカ大使館の前で抗議デモが行われたことを受けて、アメリカのトランプ大統領は先月、イラクの首相を辞任し、後任が選ばれるまで暫定的に首相を務めるアブドルマハディ氏と31日、電話会談を行いました。
 このなかでトランプ大統領イラクにいるアメリカ人やアメリカの関係施設を保護するよう、イラク側に求めたということです。
 一方、国防総省アメリカ大使館の抗議デモの対応にあたるため、アメリカ軍の海兵隊の一部の部隊を隣国のクウェートからイラクに派遣したと明らかにし、兵士たちが軍用機に乗り込む様子を撮影した映像を公開しました。」

イラクでの抗議デモ トランプ大統領「イランが仕組んだ」 | NHKニュース

 じわじわと中東での緊張が高まっていることがわかります。双方が全面戦争を回避しながら、これだったらいいだろうとソフトなターゲットを狙っています。まだこの段階で中東戦争というわけではありませんが、日本が自衛隊を派遣して情報収集に努めることには大きな意義があると言っておきます。