「NHKは日本のCNN、なあ、そうだろ」とバノンがだめ押し
NHKのスティーブ・バノンのインタビューには久々に笑わせていただきました。
NHK: It looks like stalemate of North Korea issues…
Bannon: That’s your opinion. I don’t think that’s stalemate at all. You must be CNN of Japan.
Bannon: You put provocative term like stalemate. It’s actually in process.
スクリプトは上のようだったのですが、「君らは日本のCNNに違いないね」と断言しているところは、胸がすく思いがします。
それより重要なのは「北朝鮮情勢が膠着状態(stalemate)にある」というNHKの記者の発言に対して、しきりに否定していることです。「それは実際には進行中なんだよ」と語っています。
これは、政権内部にいた頃からホワイトハウス内部の議論を知っており、それが「進行中」であると断言しているのです。
また、ホワイトハウスハウスを去る直前のインタビューで北朝鮮への軍事作戦を否定していたことを合わせると、軍事的な威嚇は使用するにしても、本格的な軍事作戦は考慮されていないと見るべきでしょう。そして、その非軍事的方法が「進行中」ということなのだと思います。
参考までに、NHKの記事も掲載しておきましょう。
「米 バノン前首席戦略官 中国に圧力で北朝鮮の非核化を
11月15日 19時15分トランプ大統領
アメリカのトランプ政権で、一時は「陰の大統領」とも言われたバノン前首席戦略官が、NHKの単独インタビューに応じ、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への対応について、「中国に圧力をかけ続けることが、北朝鮮の非核化につながる」と述べ、中国が、石油の禁輸措置など圧力を強化すべきだという認識を示しました。
トランプ大統領の元側近で、一時は「陰の大統領」とも言われた保守強硬派のバノン前首席戦略官が、日本を訪問し、15日都内でNHKの単独インタビューに応じました。
バノン氏は、ホワイトハウス内の路線対立で混乱が続く中、ことし8月に解任されましたが、トランプ大統領との関係について、「今でも数日に一度は連絡を取り、大統領執務室内でのやり取りについて、意見交換している。トランプ大統領を尊敬しており、非常に良好な関係だ」と述べました。
そしてバノン氏は、日米同盟について「日本は最も古い同盟国だ。トランプ政権が掲げるインド・太平洋地域を守る戦略とは、アメリカと、日本、オーストラリア、インドの海洋国家が、封じ込めとまでは言わないが、中国を包囲するものだ」と述べ、アジアで影響力を高めている中国をけん制するうえで日米同盟が重要だと強調しました。
また核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への対応について、「北朝鮮情勢は、こう着しているわけではない。トランプ大統領は、北朝鮮問題の解決に向けたプロセスに関与している」と述べました。
そのうえで、「すべての選択肢は、テーブルの上にあるが、私は、直接的な軍事行動はとても限られていると思う。北朝鮮は中国の従属国だ。アメリカと中国との直接交渉で対応すべきで、中国に圧力をかけ続けることが、北朝鮮の非核化につながる。それは中国の利益にもなる」と述べたうえで、中国が、北朝鮮に対して、石油の禁輸措置など圧力を強化すべきだという認識を示しました。
またトランプ政権が、TPP=環太平洋パートナーシップ協定からの離脱を表明したことについて、「私は、TPPに強く反対する。もともとのTPPのままなら、アメリカが参加することはない」と述べ、現状では、TPPに復帰することはないという考えを示しました。
そのうえで、「貿易関係は、互恵的なバランスが必要だ。トランプ大統領が掲げるアメリカ第一主義は、多国間の協定ではなく、2国間のパートナーシップを求めることだ。日本や韓国との貿易協定に焦点が当てられるだろう」と述べ、2国間での交渉を進め、貿易赤字の解消を目指すべきだと主張しました。
一方バノン氏は、トランプ大統領と安倍総理大臣との関係について、「私がホワイトハウスにいたときも2人は、別荘やゴルフ場で時間を過ごし、とても近い存在だと思う。世界のどの首脳よりも、安倍総理大臣と会っており、特別な絆がある。オバマ前大統領は、アジア重視政策を掲げていたが多くのことは達成できず、トランプ大統領のこの9か月の方が、安倍総理大臣などと関係を強化し、進展があった」と述べました。(以下略)」
米 バノン前首席戦略官 中国に圧力で北朝鮮の非核化を | NHKニュース
率直に言って、バノンは原理主義なのです。だから、中東諸国の入国禁止令なども平気で主張出来るのです。TPPにも反対していますが、日本を含めたアジア諸国がアメリカとの2国間会談に応じられるとは考えられません。
にもかかわらず、「あと5年から10年で中国との戦争」といった発言は強い説得力があります。反中国・反イスラムのバノンには今後も注目する必要があるでしょう。