一歩ずつ破綻に向かうドイツ銀行
中国の経済の状況は最悪です。一見したところよさそうですが、生産しているのはセメントと鉄鋼だけ。というか、昨年以上に増産しています。中国経済と同様に危機的なのがドイツ銀行でしょう。
「 ドイツ銀行は、米国の投資銀行部門がリスクの高い企業向け融資2件の処理に難航し、大型の損失に直面している。
不良資産を移管する「バッドバンク」の設立も含め、クリスティアン・ゼービング最高経営責任者(CEO)の下で低迷する収益の改善に取り組むドイツ銀の経営陣は、さらなる逆風を受けることになる。
取引について直接的に知る複数の関係筋によると、今回の損失は、ドイツ銀が顧客の投資ファンドのために保証に応じた2件の融資から発生している。
一つは、米アポロ・グローバル・マネジメントによる米食品スーパー「スマート・アンド・ファイナル・ストアーズ」買収の資金で、もう一つは、独化学大手エボニックインダストリーズの分社化の資金だった。
ドイツ銀は両件に関するコメントの要請に応じなかった。
ドイツ銀は、スマート・アンド・ファイナルのレバレッジド・バイアウト(LBO=買収先の資産を担保にした借金による買収)のための3億4000万ドルの融資に関して、損失を負うことを余儀なくされた。投資家が当初の条件で債権を買わなかったためだ。
関係筋によると、ドイツ銀が率いる銀行団は最終的に価格を10%割り引いたため、得られたはずの手数料が消えてしまった。ドイツ銀の損失の正確な規模はわかっていない。
「厳しい取引であれば投資家は割引を求める。それによって身を守れるし、市場が弱気になっているからだ」と、取引に関係したある銀行家は言う。「銀行側は自分のポケットに手を入れざるを得ない」
もう一つは、それよりもはるかに規模の大きい15億ユーロ(約1800億円)の融資で、米投資ファンドのアドベント・インターナショナルがエボニックのプラスチック関連事業を買収する資金の融資だった。これも世界経済の先行きに懸念を抱く投資家の反応が鈍く、ドイツ銀と英バークレイズ率いる銀行団が見込んでいた手数料収入が減る結果となった。
取引条件について知る複数の関係筋によると、最終的に債権の価格は5%割り引かれた。バークレイズはコメントの要請に応じなかった。
2件の融資については、米ブルームバーグ通信と米格付け大手S&Pグローバル・レーティングス傘下のLCDニュースが詳しく報じていた。
当該の融資を手がけたドイツ銀の業務部門は、株式業務と欧州以外でのトレーディング部門を中心とする直近の人員削減の焦点にはなっていない。
だが、この損失は業績不振の事業部門の収益に響くことになる。同行の法人向け資金調達業務の2018年の純収入は、19%減の11億ユーロだった。」
[FT]ドイツ銀、米投資銀行部門で大型損失 (写真=AP) :日本経済新聞
これではバッドバンクどころではありません。徐々に体力がそがれていく感じです。これまでのシナリオでは、中国経済の崩壊→ドイツ銀行の倒産でしたが、今後は、ドイツ銀行の倒産が先に来るかもしれません。そうなれば、リーマンどころではなくなるでしょう。そこで、すかさず消費税を上げる財務省の官僚の優秀さには舌を巻きます(皮肉ですよ当然)。