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HardBrexitは大成功に終わる

松崎美子のロンドンFX (金融の聖地で30年暮らしてわかった 日本人が知らない為替の真実)

 ロンドンもニューヨークも根性ばば色というお話し。

  そもそもが、シティーの権益を抜きにして、今回のBrexit騒動はなかったはずです。沈みかけている泥舟と化したEU並びにECBの呪縛から逃れたい一心で離脱を決めていたはずなのです。

 ですから、土壇場でどれだけ混乱しようと、結末はハッピーエンドになることは火を見るより明らかなのです。それを裏付けるのが次のニュースです。

「 米銀シティグループは英政府のバッドバンク(不良債権受け皿機関)から住宅ローン債権と無担保ローン債権を49億ポンド(約7130億円)で買い取る。英政府にとっては、金融危機のさなかに引き受けた資産の処分で大きな前進になる。
 国有化した銀行を監督する政府機関UKアセット・レゾリューション(UKAR)は2日、シティに対する2つのポートフォリオ売却を数週間内に完了する見込みだと発表した。パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)がこの取引を資金面で後押しする。
 英政府はこれまでに、ブラックストーン・グループサーベラス・キャピタル・マネジメントなどの企業にもポートフォリオを売却。昨年にはバークレイズ率いる投資家グループが53億ポンド相当の住宅ローン債権を買い取ることで合意した。シティとの取引の結果、UKARの残りバランスシートは80億ポンドと、発足時に比べて93%縮小したことになる。」

シティ、英政府バッドバンクから住宅ローン債権など取得-7100億円で - Bloomberg

 Brexitで英国経済が傾くならば、この不動産取引はあり得ません(笑)。ウォール街も、ロンドンのシティーも結託して今回のBrexitを演出しているという何よりの証拠でしょう。

 仮にポンドが相当程度140円台から180円台まで上昇すれば、それだけで米銀各行は莫大な利益を上げることができます。最近ポンドがなにげに上がっているのはこの事実がかなり周知されつつあるからなのでしょう。ですから、戦略的にはポンド・ロングということになります。