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中国は台湾を見習え

青い山脈

 つくづく時代が変わったのだと思います。昨日の続きですが、ペンス副大統領の発言には考えさせられるものがあります。

 「 マイク・ペンス副大統領は、中国が民主的な政府体制を確立する上で台湾の指導に従うべきだ、との見方を示した。
 「米国は、台湾による民主主義体制の維持は、中国のすべての人にとってよりよい道を示すと常に信じている」と、副大統領は、保守派シンクタンクのハドソン研究所(Hudson Institute)で語った。
 これは、共産党指導部の核心を攻撃する、台湾の地位に関する非常に敏感な鋭い修辞的な発言である。中国の習近平国家主席は台湾を離散地域とみなしているためである。アメリカの専門家によると、習近平政権は、台湾における民主主義の存在を、本土のイデオロギーとの矛盾ととらえている。そして、太平洋に出る経路が台湾によってふさがれているとみている。
 ハドソン研究所のジョン・リー氏は、2015年に次のように記している。「中国の共産党は、社会階層とトップダウン権を高く評価している儒教文化は本質的に自由民主主義には適さないと主張している」「いわゆる退化した地域は、中国の人口のわずか1.5%に過ぎず、現在の中国は、最も成功し、活気に満ちたモデルである。」
 中国は、台湾に対する最近のアメリカの動きに急激に反応している。中国外務省の華春瑩(Hua Chunying)広報担当者は、「9月の記者会見で、「2つの中国や1つの中国、1つの台湾を創造しようとする試みはすべて拒否され、失敗する」と述べた。
 台湾は、中国共産党革命の最中に放棄された政府の最後の要塞である。台湾の指導者と、北京の指導者は、ともに、歴史的な政党の中国の統治者であると主張している。北京との公式外交関係を維持しているにもかかわらず、中国による台湾侵略の抑止を手助けしている。
 「私たちの政権は、3つの共同声明と台湾関係法に反映されているように、中国の1つの政策を尊重し続ける」とペンス副大統領は述べた。
 それは、米国が中国共産党指導部を認め、台湾の自主権を支持することのバランスを取るために使用してきた合意の中核であった。それでも、ペンス副大統領は、ラテンアメリカや世界の他の国々が台北との関係を断るよう中国に説得しようとする中国の試みに対して米国が反対していることを強調した。
 「これらの行動は台湾海峡の安定を脅かすものであり、米国はこれらの行動を非難する」と副大統領は述べた。」

Pence: China should follow Taiwan’s lead to democracy

 アメリカと中国が戦争を始めるとすれば、尖閣よりも台湾でしょう。ですが、民主主義を台湾から学べというのは、中国にとっては深い侮辱とうつることでしょう。言い換えれば、現在のトランプ政権は北京の共産党政権を、特にその正当性を認めていないということでもあります。

 政党ではないものを破壊するというのは、戦後70年余りにおけるアメリカの慣行でした。民主主義にとって好ましくないと考えれば、インドネシアスハルトであろうと、イランのシャーであろうと、はたまたイラクフセイン大統領であろうと駆逐するのがアメリカの習性といえます。今度は、アメリカの必殺リストのエネミーNO.1に中国が挙げられているということです。

 しかし、中国は激しく抵抗するでしょう。今後数年は厳しい事態が発生するとみて間違いがありません。