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米中戦争を告げるファンファーレ

Make debut!

 「響けファンファーレ♪」というわけで、米中衝突が決定的になるでしょう。

  ファンファーレというのは言うまでもなく、今回のペンス演説のことです。

「 ウィルソンセンターのウェブサイトによると、演説は同日午前11時(日本時間25日午前0時)に始まり、テーマは「米中関係の将来」。
 「過去の米政権は中国の行動を見逃していたが、そのような日々は終わった」。18年10月4日に保守系シンクタンク、ハドソン研究所で開いたペンス氏の演説は米中関係を一気に冷え込ませた。米中貿易摩擦など経済問題だけでなく、政治や軍事などあらゆる対中政策を打ち出した。
 中国の広域経済圏構想「一帯一路」政策については「借金漬け外交」と批判し、軍事面では「陸・海・空で米国の優位を侵食しようとしている」と強調。経済面でも安全保障面でも中国の台頭を警戒するトランプ米政権の姿勢を鮮明にした。
 ペンス氏の発言は中国の猛反発を招いた。18年11月のアジア太平洋経済協力会議APEC)首脳会議の関連会合の演説で、習近平(シー・ジンピン)国家主席が米国を念頭に「保護主義と一国主義が世界経済に影を落としている」と応酬した。
 ペンス氏の中国批判は人権や宗教問題にも拡大した。19年7月に「米国民は中国で信仰に生きる人とともにある」と語り中国の新疆ウイグル自治区で暮らす少数民族の拘束問題で圧力をかけた。
 その後、米商務省が10月に輸出規制の対象である「エンティティー・リスト」に監視カメラ世界首位の杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)など中国の28団体・企業を加えた。中国の監視技術が少数民族の人権侵害に使われているとしたためだ。ペンス氏の発言は米国が中国への制裁や姿勢を強めるきっかけとなってきた。
 ペンス氏の対中政策演説は6月にも予定されていたが、20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)での米中首脳会談への影響などを考慮して延期された経緯がある。包括的に対中政策を発言する演説は約1年ぶりとなるだけに注目度は高く、内容次第では米中関係の悪化や中国からさらなる反発を生むことは避けられない。」

ペンス米副大統領、対中政策演説へ 対立深まりも (写真=ロイター) :日本経済新聞

 ペンス副大統領は、政権の基本方針を構築すると同時に、裏方の実務を担っているともいえます。ペンス副大統領が尊敬しているのは、冷戦を遂行しソ連を打倒したレーガン大統領で、こんどはかつてのソ連と同じように中国を、中国共産党の一党支配を打倒しようとしているのです。

 ロシアはといえば、今度は中国をフルボッコにするチャンスなのですから、表面上はいくら中国と友好を深めようと、「金の切れ目が縁の切れ目」、経済関係が脆弱化すれば、すぐにその関係は疎遠なものになるでしょう。ロシアにとっては、アジアでは、人口比でロシアが圧倒されることがわかっているので、つまり、極東の領土がそのうち中国人であふれかえることになることをよく了解しているので、土壇場で中国を裏切ることになると考えられます。ですから、米ロ関係は、波風は立っても、現在の米中関係ほど悪化することはありません。とはいえ、何度もロシアのエージェントが自国内で殺人事件を引き起こしていることに激怒している英国は別でしょうが。

 そして、今回のペンス演説です。貿易戦争もありますが、結局は軍事力に物を言わせた本格的な戦争が今後発生することはもはや不可避であることを暗示しています。

 現在の中国は、いわば第二次大戦前のナチスドイツのようなものです。ユダヤ人のようにウイグルイスラム教徒を弾圧する中国は、この世の悪以外の何物でもありません。ですから、中国と外交関係が正常化したと喜んでいる安倍政権はどこか間抜けなのです。