FirstHedge 明日の投資情報

投資を搦め手で分析します。

米朝会談が行われない可能性

米朝十八番

 このままでは、米朝会談は行われないのではないでしょうか。その理由は以下の通りです。

  まず、首脳会談は、事前に条件が整ってから行われるのが通例です。

 現段階では、金正恩が内容やペースを設定し、トランプ政権がそれに対応しています。このまま押し切られるようであれば、米外交の大失敗につながりかねません。

 仮に、実施するにしても、交渉を成功に導くための国務省の体制が必要です。しかし、予算も削減され、任用ポストもまだ埋まっていません。ジョセフ・ヨンのような経験者も既に辞任してしまいました。韓国大使すら決まっていません。とにかく,徹底した準備不足なのです。ティラーソン国務長官も「われわれは交渉入りには程遠いところにある」と発言していたほどです。

 今回の首脳会談の大きな前提条件となるのが、IAEAによる核査察です。イランの核査察でも少なくとも数カ月は必要でした。全体主義国家で査察を行うことは非常に困難なのです。これまで核兵器を自国の安全保障の大きな柱としてきた北朝鮮が、IAEAの査察官が北朝鮮の核施設をうろちょろすることを許すとは考えられません。

 そして、アメリカ国内並びに同盟国からの反対もあります。首脳会談を行うのであれば、何らかの条件を確定させなければならないはずですが、トランプ大統領と言えば、現在はペンシルバニアの補選にかかりきりになっています。とても具体的な詳細を詰める体制が整っているとは言い難いのです。

 これでは、今回の首脳会談も単なる政治ショーになることでしょう。北朝鮮問題はまだまだ続くことになります。