アメリカの北朝鮮交渉はCIAルート
ニューヨークタイムズが、北朝鮮外交におけるCIAの役割を報じています。
「ニューヨークタイムズ紙によれば、トランプ大統領が金正恩と会談を開くに当たって、マイク・ポンペオCIA長官が対北朝鮮交渉を担当していたことを報じた。
トランプ大統領によって新国務長官に指名されたポンペオCIA長官は、CIAと北朝鮮情報機関の代表との間で交渉を継続してきた。それと同時に韓国の情報機関とも接点を保ってきた。両者を繋いだのは韓国の情報機関であった、と記事は伝えている。
CIAが北朝鮮と交渉を行っていたという事実が、従来首脳会談を取り仕切ってきた国務省の役割の減退、先週のティラーソン国務長官の罷免を反映している。
ポンペオ新長官はこれから議会で国務長官として承認を受けなければならない。しかし、既にCIAのチャンネルを通じて外交交渉を継続していたので、国務省に移っても、外交を継続できると期待されている。
そこに、ファースト・ドーターのイバンカ・トランプが加わっている。イバンカは、ティラーソン罷免後、韓国の外相と会談を開くことを明らかにしている。
CIAは北朝鮮との外交交渉に携わったことがこれまでにもある。ジェームズ・クラッパー元CIA長官は、2014年に秘密裏に北朝鮮を訪問し、抑留されているアメリカ人の解放を交渉したことがある。(以下略)」
Pompeo taking lead role in planning Trump’s North Korea meeting: report | TheHill
ようやく、全体の話がつながってきたという感じがします。ティラーソン国務長官の罷免という話題が出ていたのが、昨年の12月のことでした。裏を返せば,その頃にはすでに北朝鮮との交渉がかなりの程度まで進んでいたのでしょう。
そして、現実に、首脳会談が開催される可能性が高いことは,娘のイバンカが交渉に加わっていることからも明らかです。
これまで、首脳会談を行うにしても、人材が足りないのではという疑問がありましたが、国務省の代わりにCIAを使うというのであれば、ぎりぎり間に合うでしょう。
それでも、疑問はのこります。核査察の問題はどうなるのでしょうか。また、在韓米軍撤退の議論がトランプ大統領の方からだされていますが、これは意外と本気なのではないでしょうか。
こうしてみると、今回のアメリカの北朝鮮交渉に関しては、日本は完全に蚊帳の外であったということもわかります。
ちなみに、元のNewYorkTimesの記事は以下の通りです。
Spies, Not Diplomats, Take Lead Role in Planning Trump’s North Korea Meeting - The New York Times