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クライマックスを迎える拉致問題、解体される北朝鮮

解体屋ゲン 1巻

 今頃金正恩は息をしていないのではないでしょうか。アメリカからも、中国からも、がんじがらめにされ、完全に身動きがとれません。

 率直に言ってこの産経新聞のニュースには驚きました。

「 安倍晋三首相は4日、中国の習近平国家主席と電話会談を行った。両首脳は朝鮮半島の「完全な非核化」目標を盛り込んだ南北首脳会談の「板門店宣言」を評価し、日本人拉致問題の早期解決に向けて協力していくことで一致した。日本の首相と中国の国家主席による電話会談は初めて

 日本政府はこれまでも拉致問題の解決に向け中国側に「理解」や「支持」を求めることはあったが、首脳間で認識を共有したのは極めて異例だ。会談は日本側が要請し、約40分間行われた。習氏は初の電話会談に関し「最近の日中関係の前向きな変化を表している」と評価した。

 安倍首相は会談で、北朝鮮が核・ミサイル問題の解決に向け進み出したことに関する中国の働きかけに敬意を表明した。また、北朝鮮への経済制裁などを決めた国連安全保障理事会決議を確実に実行していくことで合意した。(以下略)」

 北朝鮮トランプ大統領の言い分を認めなければ、中国からも制裁を受けるということでもあります。これで事実上北朝鮮は籠の中の鳥にも等しい状態になりました。軍事的衝突を起こすことなく、北朝鮮の核問題が解決されることになりそうです。

 その結果、拉致被害者も存命の方達は帰国できることになりそうです。IAEAの査察もありますから、北朝鮮に相当の調査団が派遣されることになるでしょう。一人でも多くの方が帰国できることを願わずにはいられません。

 その一方で、今回の米朝合意は、北朝鮮の完全な敗北といえます。金正恩も自分の命が惜しくなったのでしょう。問題は、金正恩がそのまま統治を続けることができるのかという問題です。完全な情報統制を引くことで、金王朝の権力は維持されてきました。しかし、今回の米朝合意で北朝鮮の一般国民は多くの情報に晒されることになります。特に、金正恩の兄殺しは広く知れ渡ることになるでしょう。このまま、金正恩はその地位を維持できない可能性が高いと言えます。

 しかし、喜ぶのはそこまででしょう。仮に、金正恩が亡命したとしても、中国は北朝鮮という足がかりを絶対に手放そうとはしないでしょう。その意味では、今後現れるであろう統一朝鮮を自国の勢力範囲にするべく最大限の努力を払うはずです。

 とはいえ、そうなる以前に北朝鮮の鉱産資源は、西側諸国にとってもうまみのあるビジネスです。やはり、朝鮮半島においても、米中の角逐が見られることになるでしょう。場合によっては、北朝鮮の解体につながるかもしれません。