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潜水艦の艦長も大変だ

先日立てた上のエントリ―の続報です。

 産経新聞からです。

 小野寺五典防衛相は15日、尖閣諸島沖縄県石垣島)周辺の日本の接続水域を10、11両日に潜没航行した中国海軍の潜水艦は、「商」級の攻撃型原子力潜水艦だったと記者団に明らかにした。小野寺氏は「国際的な常識から、潜水艦が潜航したまま相手の領海近くに航行することはあってはならない」と中国軍を批判し、「毅然(きぜん)とした対処をしていく」と強調した。(略)

 また、小野寺氏は「潜没潜水艦を確認した後、海自の護衛艦から繰り返し、この船に伝わるような形で警告を発した」と語り、追尾の際、相手に音波をぶつけるソナーを用いた経緯を示唆した。

尖閣接続水域入域の中国潜水艦は「商」級攻撃型原潜 長射程巡航ミサイル搭載か 防衛相が発表 - 産経ニュース

 先日の「愚かな中国海軍」というエントリーでは、「艦長の立場に立てば、中国国旗を提示したくなる気持ちもわかります。もし、国籍を明らかにしなければ、国籍不明の艦船として攻撃を受ける可能性があると艦長は考えたはずです。そのぐらい精神的に追い詰められていたとも言えるでしょう。」と記していたのですが、その通りであったことが、日本側の発表から明らかになりました。ビンガーを撃たれてさぞかし心細かったのでしょう。人ごとですが、潜水艦乗りは大変だなあと思いました。

 ただ、今回の一件に関しては中国側が4つのシグナルを発したという報道も有りました。公平を期すために、中国側の主張も挙げておきましょう。

2018年1月15日、米華字メディアの多維新聞は、中国軍原子力潜水艦が10日から12日にかけて沖縄県尖閣諸島周辺を航行したことについて、「中国は4つのシグナルを発した」とする分析が出ていると伝えている。 

日本政府はこのほど、10〜11日に尖閣諸島宮古島周辺の接続水域を潜没航行した中国軍の潜水艦について、攻撃型の原子力潜水艦だったと断定した。情報によると、中国軍の潜水艦は10日午後、沖縄県宮古島周辺から尖閣諸島沖の接続水域に入り、11日になって接続水域を抜け、12日に公海上で浮上し中国国旗を掲げたという。 

記事によると、中国外交部の陸慷(ルー・カン)報道官は11日の定例記者会見で、日本がこの問題で中国に抗議したことについて「中国側の把握した状況では、本日午前、日本の海上自衛隊の艦艇2隻が赤尾嶼(日本名:大正島)北東の接続水域に相前後して入った。中国側は日本側の活動の全行程を追跡・監視した。現時点で日本側艦艇はすでに接続水域を離れている」とした上で、「日本側の行動は釣魚島(日本名:尖閣諸島)が中国に所属するとの客観的な事実を変えることはできず、中国側の釣魚島の領土主権を守る断固たる決意はみじんも揺るがない」と強調した。 

中国国防部も「中国の艦艇がこの海域で活動するのは完全に正当的で合法的な行為だ。日本側はこうした事実を知りながら、作り話を並べ立てて中国軍隊の正当かつ合法的な行為を大々的に報道している。中国はこのような行為に大変不満を感じ、断固反対する」と表明している。 

記事によると、中国の攻撃型原潜がこの時期に表面化した理由について、中国は「主権を守る決意があり」「日本が挑発すれば、中国はさらにエスカレートし」「中国と日本の軍事力は同一水準にないことを日本側に伝え」「中国の095型原子力潜水艦(攻撃型原潜)はすでに就役しているか就役目前である」という4つのシグナルを発しているとする分析が出ているという。

原潜が3日連続で尖閣航行、中国が発した4つのシグナル―米華字...|レコードチャイナ

当然のことですが、日本の護衛艦に完全に追尾されていたことは報じていません。また「中国の攻撃型原潜がこの時期に表面化した理由」は,日本側の発表によるものですが、あえて4つ理由を挙げるところは中国人のたくましさを感じます。

 率直に言って、現段階では日中の海軍力はほとんど比べものにならないというのが、結論になるでしょう。中国側が主張する通り、中国と日本の軍事力は同一水準にないのです。