安倍首相を国会解散に踏み切らせた北の核の被害想定
9月17日に安倍首相は、臨時国会冒頭での解散に言及しました。正確には22日に国連総会帰国後に発表するようですが、その背後には北朝鮮問題があったことは否定できないでしょう。
その一方で、メディアの報道では、北朝鮮の核に関する決定的情報が欠けています。それは北朝鮮の核に関する被害予想です。おそらくは今回紹介する被害想定と同様の情報が安倍首相にもあげられていると考えられます。この地獄絵図をみれば、安倍首相も早急に北朝鮮対策に取り組まなければならないと考えたことでしょう。我々日本国民が深刻な危機にさらされています。今回はその真実をお伝えしましょう。
以前のエントリーの復習です。
1.北の核の規模
北朝鮮の最新の核実験の爆発規模は当初推定された水準の2倍以上だった可能性があります。米ジョンズ・ホプキンス大学米韓研究所の北朝鮮分析ブログ「38ノース」の分析によれば、9月3日の核実験による地震データから計算したところ、約250キロトンの強さでした。これが事実とすれば、広島に投下された原爆の17倍の威力ということになります。ちなみに、1945年に広島に投下された原爆は約15キロトンの強さでした。
3日の実験は北朝鮮にとって6回目でした。北朝鮮は米本土を攻撃できる核兵器とミサイルの開発を目指しています。実験への対応として国連安全保障理事会は11日に強化した制裁決議を採択しました。
ここで重要なのは250キロトンという爆発規模です。この数値を元にワーストケースシナリオを組み立ててみることにしましょう。
2.被害マップ
とある研究機関の予測を以下に示します。この250キロトンの核が東京の、しかも皇居に投下された場合の被害予想が下の図です。
まず、図の見方から説明します。
(1)一番真ん中の円は、火球の半径 0.72 km (1.63 km²)です。
核による火球の最大限の半径。生命への影響は起爆時の爆弾の高度によります。もし、地上で爆発した場合、放出される放射性物質は著しく増大します。
(2)内側から二番目の円は、著しい空気爆発の半径1.37 km (5.9 km²)です。
20重量ポンド毎平方インチ、つまり、1.36気圧程度の風圧がかかる領域です。この円の内部はコンクリート建造物が著しい被害を受けるか倒壊します。致死率は100%になります。
(3)内側から三番目の円は、放射線の影響が著しい領域2.09 km (13.7 km²)です。放射線量は500レム。100レムが1シーベルトであるから、5シーベルトということになります。この領域では、爆発の影響だけを考慮した場合の致死率が50%から90%になります。死亡するのは数時間後から数週間後です。
(4)内側から四番目の円は、空気爆発の半径2.88 km (26.1 km²)です。
5重量ポンド毎平方インチ、つまり、0.34気圧程度の風圧がかかる領域です。大部分の一般家屋は倒壊します。死傷者も多数でます。
(5)一番外側の半径は第3度火傷を受ける半径5.84 km (107 km²)です。
第3度火傷の場合、皮膚の下にまで火傷が及びます。そして、痛まないこともあります。それは神経までが焼き切れてしまうためなのです。この火傷は後になって残るか、身体障害を残す場合があります。また、身体を切除する必要になる場合もあります。
その外側の黄色い部分は放射性物質が拡散する領域である。この図では南から埼玉方面に風が吹いている場合で想定しました。
上の図を見ればわかりますが、北朝鮮が中国人民解放軍の支援を受けて正確に皇居を直撃できた場合、そして、その際に今回の250キロトンの核爆弾が使用された場合、皇居は跡形も無く消え去ります。さらには、霞ヶ関は完全に消滅していることもわかります。特に中から2番目の円の内部は人が生き残れない領域です(地下街の場合は別)。山手線の内部はほぼ壊滅するのです。一番外側の円の内部は、「はだしのゲン」そのままの世界が現出することになります。
3.被害想定
地上で爆発したと想定した場合は、即死者が201510人、負傷者が799970人と推定されています。ざっと800万人が負傷する勘定です。これが空中で爆破された場合、被害想定は跳ね上がることになります。即死者が586000人、負傷者が2441830人となる。つまり、即死者も負傷者も3倍程度に膨れあがるです。20万人、もしくは60万人近くが即死することになるのです。
この数値は常人の想像の範囲を超えた数字でしょう。安倍首相が対応を急ぐのも当然ではないでしょうか。
これまでのエントリーでは、被害者の想定が抜けており、地上で爆発させたケースは紹介していなかったので改めてエントリーを立てました。
これまでのエントリーも参考にしてください。