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ボルトンも認めたトランプ大統領のいかがわしさ

トランプ思考―知られざる逆転の成功哲学 [新版]明日の成功者たちへ

トランプ大統領には、多くの点で功績があったと思います。例えば、アメリカを覆っていたポリコレの欺瞞を暴露したこと、トランプ大統領の当選自体が、大きな歴史的出来事だったという事です。しかし、そこにはネガティブな側面もつきまとっていました。

 それが、トランプ大統領の人間としての限界でした。たかがニューヨークの不動産業者が、大統領になってしまったのですから、無知であったのは仕方がないでしょう。しかし、悪い意味での自己本位は大きな問題でした。

「 前米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)のジョン・ボルトン氏は、近く出版するトランプ政権の暴露本で、トランプ大統領が中国の習近平国家主席に対し、米農産物の購入を増やすことで自身の再選を手助けするよう求めていたことなどを明かしている。本の抜粋が米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)に掲載された。
 ボルトン氏の本は、外交政策でのトランプ大統領による行為を暴露しており、トランプ氏再選への道をさらに険しくしそうだ。
 本は来週発売される予定。ボルトン氏はその中で、大阪で昨年開催された20カ国・地域(G20)首脳会議でのトランプ氏と習主席の協議に言及。トランプ氏は「自分が勝てるよう習氏に懇願した」が、大統領の正確な言葉は明かすことができないとした。機密情報に関する政府による出版前の審査プロセスで禁じられたためだという。
 米司法省は15日、ボルトン氏の暴露本の発売を阻止するため訴訟を起こし、17日夜にはワシントンの連邦裁判所の判事に対し、緊急差し止め命令を請求した。公になれば国家安全保障を脅かしかねない機密情報が含まれるためだとしている。
 トランプ大統領は17日、ボルトン前補佐官の本出版について、「彼は法を犯した。非常に単純なことだ」とFOXニュースとのインタビューで語った。これより先にWSJに対し、ボルトン氏を「うそつきだ」と批判し、自身の外交政策の正当性を主張した。
 ボルトン氏は、大統領が外交政策で自身を政治的に利する決定を常に下していたと指摘。「私がホワイトハウスで勤務していた時に、トランプ氏が再選以外の動機で重要な決定を下したことを思い出せない」とした。」

トランプ氏、中国の習近平氏に再選支援求める-ボルトン氏が暴露 - Bloomberg

結局、中国との交渉は自分が大統領再選するためであったというボルトンの暴露が事実であれば、とんでもないということになりそうですが、それがトランプ大統領の人間としての限界だったのですから、これは仕方がないということになります。

 当サイトでは常々トランプ大統領の危うさを指摘してきました。

ただ、これから中国との冷戦が始まるのにバイデンで大丈夫かと言う議論が一方ではあるでしょう。またこのニュースの重要な点は、トランプがこっそり中国と交渉していたという点にあるのではなく、裏交渉を進める大統領の背後で、チャイナ・イニシアティブなど、激しい中国包囲網を形成する動きがはじまっているということ、しかも、民主党共和党の区別なく米国議会が一致して反中政策を推進しているという事です。つまり、中国をつぶすというのは、いまや大統領個人の手を離れて国家としての国策に成っているということです。