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ボルトン辞任、続報

北朝鮮がつくった韓国大統領 文在寅政権実録

 個人的には、日本に取ってダメージの大きい辞任であったと思います。

 日経新聞秋田浩之記者の記事です。

 「ボルトン氏の補佐官解任は偶然、私のワシントン滞在中に発表された。今後の対外政策がどう変わるのか。外交や安全保障関係者の話題は、この点でもちきりだった。

 そこで聞いた分析の最大公約数は、おおむね次のようなものだ。

 トランプ氏は大統領選に向けて、北朝鮮やイラン、アフガニスタン問題で目に見える手柄を急いでいる。ポンペオ国務長官はそうしたトランプ氏に忠誠を尽くし、北朝鮮やアフガンの反政府武装勢力タリバンとの交渉をまとめようと努力し、イランとの直接対話も探ってきた。ポンペオ氏は将来、大統領選出馬を狙っているとの見方もあり、トランプ氏の不興を買って、失脚するのは避けたいのが本音だった。

 これに対し、北朝鮮やイラン、タリバンは信頼できないとみるボルトン氏は、ポンペオ氏の動きにことごとく抵抗。「ボルトン氏は補佐官を最後の要職と思っていた。北朝鮮やイランと不十分な合意を交わし、晩年のキャリアを汚すくらいなら、合意を阻止した方がよいと考えていた」(元米政府高官)という。

 ポンペオ氏との確執は深まり、最近では「大統領がボルトン氏を解任するのは時間の問題だ、と政界でもみられていた」(米議会関係者)という。

 こうした経緯を考えると、北朝鮮問題については、残念ながら、日本にとってはマイナスと言わざるを得ない。トランプ氏はポンペオ氏を使い、完全非核化に至らなくても、何らかの合意に走る危険が増しそうだ。

 日本政府は十分な非核化がないまま米朝交渉が加速するのを恐れ、トランプ氏のブレーキ役として、ボルトン氏の影響力に期待する空気が濃かった

 しかし、これは構図の一断面にすぎない。ボルトン氏は長年にわたり、核拡散をどう防ぐかという問題に熱心に取り組んできた。その経歴が邪魔し、外交のバランス感覚を失わせていた面もある。その最たるものが対中戦略への関心のなさだろう。

 彼と面識がある元米当局者や米安保専門家は次のように指摘する。

 ボルトン氏は核開発をやめないイラン、北朝鮮を警戒するあまり、中国の脅威への切迫感はやや弱く、強硬でもなかった。このため、対中戦略を最優先すべきだと考える国防総省や軍首脳とぶつかり、不協和音を生みがちだった――。

 このため、ボルトン氏が政権を去れば、「イラン危機をあおる勢力が後退し、米政権として対中戦略にエネルギーを集中しやすくなる」と見る向きがワシントンには多い。

 トランプ氏は再選に向け、米中貿易戦争をどこかで休戦し、中国から米国産農産物などの爆買いを取り付けたいのが本音だ。一方で、「ハイテクや軍事をめぐる中国との覇権争いにも注力しやすくなる」との声も政権内外から聞かれる。中国の軍拡にさらされるアジア、日本にとって、米国のアジアへの関心が高まるのは朗報ともいえる。」

ボルトン氏退場の得失 アジアにプラス? :日本経済新聞

 大統領選のために、成果を上げておきたいトランプ大統領と、あくまで筋は曲げられなかったボルトン補佐官という構図はわかりますが、ボルトン辞任が対中シフトの強化に繋がるかは疑問です。

 トランプ大統領は、自己愛の強い人で、自分の選挙が最重要課題なのです。とりあえず、選挙に勝たなければ、本来の政策を実現できないという焦りもあるのでしょう。率直に言って予想外だったのは、北朝鮮に対する融和的な姿勢です。経済制裁は解除しないものの、その後は、いくら短距離ミサイルを発射しても黙認しています。北朝鮮は日本を射程に収めるミサイルを多数そろえています。ですから、米軍とは独立して対応しなければならない可能性は高まっていると言えます。

 ましてや、韓国が北朝鮮に併合されることになれば、日本に対する軍事敵圧力は相当のものになりますアメリカとの関係はもちろん重要ですが、それ以前に日本による独自の対応に備えて、様々な準備・計画が必要になっています。