アメリカとは、今日でお別れ
ドイツはアメリカから離れるかもしれません。
「 ドイツの元駐米大使は、トランプ大統領の政策が、ドイツを米国から遠ざけ、ロシアと中国に近づける可能性があると警告している。
ヴォルフガング・イッシンガー氏はロイター通信に対し、「トランプの在任期間が長くなればなるほど、ベトナム戦争以来、米国との関係を断絶するべきだと主張してきた内外の人たちに対抗することがますます困難になるだろう」と月曜日に公開されたインタビューで語った。
「ドイツ政府が既存のコースにとどまり、この関係を守ることはずっと難しくなるだろう」と彼は付け加えた。「そして、ロシアや中国のような国々とのより緊密な関係を求める勢力は、大胆になるだろう」
ドイツ車に関税を課すと脅かされ、NATOや世界貿易機関(WTO)などの同盟関係を脅かしているトランプ氏は、ドイツとアンゲラ・メルケル首相との緊張を高めている。
イッチンガー氏はロイターとのインタビューで、今夏の初めにドイツをはじめ、ロシアとのNord Stream 2パイプラインプロジェクトに携わる人々を脅し、計画の継続を妨げようとしたと批判した。
「米国の制裁がNord Stream 2を防ぐために適用されれば、大西洋横断の関係に有害な影響を及ぼすだろう」とNord Stream 2のアイデアに疑問があるとしても、これを深刻なものと見なすのは難しい。というのも、アメリカもまた欧州連合(EU)に見解を強制しているためだ」と述べた。」
German diplomat: Trump could push Germany toward Russia, China | TheHill
これは典型的な観測気球ですが、今更ドイツがアメリカとの関係を絶てないことも事実でしょう。軍事力についても、現在独逸軍の状態は、稼働している潜水艦が0隻などと瀕死の状態です。ましてや、アメリカへの輸出自動車に関税がかけられれば、ドイツ経済は終わることでしょう。
ですから、今回の元大使の発言はほぼ100%ブラフと見ることができます。むしろ、トランプ後、アメリカとの関係を強化するという図式も見て取れます。そうしなければ、単独ではロシアに対抗出来ないためです。バルト三国やポーランドがロシアの影響下に入れば、ドイツはどうするのでしょうか。国内の移民問題と合わせて、メルケル首相には荷が重すぎる課題に見えます。