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核重力爆弾を開発中の米空軍

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 最近よく耳にするのが、アメリカはもう終わりという議論です。私も昔はそう考えていた時期もありましたが、ヨーロッパの惨状を目にするにつれて、アメリカは残ってもEUは残らないと確信するようになりました。

 アメリカの優位を一言でいえば、その軍事技術の優越性にあります。核重力爆弾もその一つです。

 「米国空軍は、B61-12誘導核重力爆弾の数十回の発射飛行試験を実施し、前任者の3倍の正確さを目指しているとの見通しを明らかにした。

「我々はすでに26の技術開発、開発、誘導飛行試験を実施している」と戦略的抑止・核統合担当の副参謀のジャック・ワインスタイン中将は述べた。"プログラムは非常にうまくいっている。」

 少なくとも7年間継続しているB61-12修正プログラムは、B-2スピリットと、レイダーと呼ばれる将来のB-21ロングレンジ戦略爆撃機によって運用される予定だ。

ワインスタイン氏は最新のテストを行ったプラットフォームについては言及していないが、F-35ライトニングII共同プログラムオフィスは、最新の修正を兵器庫に統合する作業を進めている。2020年代にはいつかフィールドに入る予定です。

ワインスタイン氏は、ワシントンDCの空軍協会の朝食で聴衆に演説している間、核兵器の中で米国が進めてきた進展を強調した。

 最近のペンタゴン核兵器姿勢の再検討では、より低出力の核兵器が必要とされているだけでなく、3種類の核爆弾の運用の一環である空中発射巡航ミサイル大陸間弾道ミサイルでの現行の武器の近代化の必要性を極めて重要なものとして強調している。(以下略)」

Air Force Advances Testing of New Nuclear Gravity Bomb: General | Military.com

 ここで登場するのが核重力爆弾 B61-12です。この爆弾は精密誘導爆撃が可能であり、出力こそ従来の9メガトン8,550ポンドのB53核爆弾の600万分の一ですが、地下50フィートにある構造物も破壊できるという優れものです。そして、B-52やB-2爆撃機だけでなく、F35、それにF15、F16にも搭載可能なのです。そしてなんといっても最大の特徴はその低出力です。広島型原爆に換算すれば出力の点でわずか2%程度です。精密誘導によってほかの被害を最小限にとどめるのがこの爆弾です。逆に言えば、この新型核爆弾であれば、人命への影響をあまり考えずにどんどん落とせるということでもあります。

 確かに、現在では中国やロシアも超音速ミサイルの開発を行っていますが、こうした武器の開発能力はまだまだアメリカの優位は揺るがないのです。

 それが揺らぐとすれば、中国が数で勝負を挑むときでしょう。しかし、アメリカがそれまで何もしないとは到底考えられません。

 とするならば、近い時期での米中軍事衝突は不可避なのではないでしょうか。