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英国EU離脱を左右する関税同盟問題

小林さんちのメイドラゴン : 7 (アクションコミックス)

英国のメイ首相が苦境に追い込まれています。メイドラゴンでも飼っていれば話は違ったのかもしれませんが。

 ブルームバーグからです。

「英国のメイ首相が欧州連合(EU)関税同盟を離脱する公約を守らないとの臆測が、与党・保守党内のEU懐疑派の間で広がっており、首相は閣内で反乱が起きないよう難しい手綱さばきを求められている。

  関係者の1人によれば、メイ首相のEU離脱方針は下院で否決される見通しのため、EU関税同盟への残留を首相は受け入れざるを得なくなるかもしれないと側近らは考えている。そうなれば、保守党内の強硬なEU離脱派から首相交代を狙う動きが表面化する可能性がある。

  EU離脱を支持するゴーブ環境相は22日にツイッターで、「英国は貿易の権限を取り戻す必要がある。それは保護主義的な関税同盟の離脱を意味する」と呼び掛けた。

  首相府は関税同盟を離脱する方針は変わっていないと主張している。スラック首相府報道官は23日にロンドンで記者団に対し、「英国は関税同盟を離脱し、世界各国と独自の通商協定を自由に結べるようになる」と述べた。

  英紙サンデータイムズは政府関係者の発言として、議会の否決でEU関税同盟に残留せざるを得なくなっても首相は構わないだろうと報道。その場合、首相府ではフォックス国際貿易相とジョンソン外相が辞任するだろうが、ゴーブ環境相ら他のEU懐疑派閣僚は留任すると踏んでいると伝えた。首相に近い別の関係者は、首相の姿勢に関する同紙の報道に異議を唱えた。」

メイ英首相に閣内から圧力、EU関税同盟の離脱巡り-関係者 - Bloomberg

 北アイルランドジブラルタルの国境問題など問題は山積していますが、とりあえず、英国がEUを離脱するという方針は変更がなさそうです。EUとの関税同盟を維持したいというのは、EUへの未練が断ち切れていないということもできます。この記事にあるように、英国の保守派は、英国の完全なEU離脱を望んでいます。このまま大陸とずるずるした関係を保つのは英国にとって良くないという判断からでしょう。逆に言えば、英国の保守層はEU圏の本格的な没落を予期しているともいえます。

 現段階では仮説なのですが、アメリカが英国とFTAを締結すれば、状況は激変するのではないでしょうか。TPPの行方と並んで注目すべきポイントです。

 ただこのところのポンドの弱さは、英国のEU離脱問題がなかなか解決しないために先行きが不透明であるという心理的要素を反映したものです。ぐずぐずした状態はまだしばらく続きそうですね。