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深まる英露の対立

暗殺教室 殺せんせー大包囲網!! - 3DS

 メルケル首相が、苦しい立場に追い込まれています。

  「プーチン大統領はロシアとドイツの関係強化を求めている。その一方で、英国は、今回のスパイ毒殺事件で同盟国に行動をとるように求めている。
 先日、メルケルは4期目の政権樹立に成功した。このことを祝福する電報の中で、プーチン大統領はドイツとロシアの関係強化を求めている。
 英国のメイ首相は、今回の事件で23名のロシア外交官の追放を発表した。その前日には、プーチン大統領は、メルケル首相に首相就任の祝電を送り、ドイツ・ロシアの建設的な協力に言及した。
 プーチン大統領メルケル首相とその新政権に「健全さと繁栄と成功」を期待すると記している。
 元ロシア軍情報部(GRU)のセルゲイ・スクリパルならびにその娘のユリアの暗殺未遂は、EU諸国に衝撃を与えている。しかし、英国が今回の神経ガスによる暗殺事件に対して統一した対応を求めているが、このことは多くの指導者を困難に追い込んでいる。
 それと同時に、イアン・ダンカン・スミスは、英下院でメイ首相に対して、ドイツに石油パイプライン(ノルト・ストリーム2)の問題を提起するように求めている。
 ドイツは、プーチン大統領に対して、ドイツの領海内部をパイプラインが経由することを許可している。しかし、イアン・ダンカン・スミスは、このことがロシアの指導者の地位を強化すると訴えているのである。
 月曜日には、メルケル首相は、今週のプーチン大統領の再選が、ロシアに対してウクライナ問題の解決、それにウクライナ併合に関してロシアと改めて協議を行うきっかけになるしたいと表明していた。
 その翌日、メイ首相は、ロシアは、ソールズベリーでの毒殺事件に関して「英国政府によって提示された正当な質問に早急に答えるべきだ」と主張している。
 メルケルのドイツ首相府は、火曜日に、電話でメイ首相に、神経ガスによる事件を厳しく非難すると述べている
 メルケル首相は、メイ首相に、「例外的に深刻な」テロに関して、ロシアに責任があるとする英国の評価に同意している。
 メルケル首相はロシアに対して化学兵器禁止組織に「包括的かつ早急に」自国の化学兵器計画を示すように求めている。
 ボリス・ジョンソン英外相は、英国の同盟国に、英国がロシアに対する報復措置を検討しており、他の同盟国もその制裁を支持するように求めている。(以下略)」

Spy poisoning: Putin urges strong relations with Gemany but UK wants sanctions | UK | News | Express.co.uk

 こうした英国の申し出に対して、アメリカのニッキー・ヘイリー国連大使は全面支持ですが、フランスのマクロン大統領は、具体的な行動に移る前に「決定的な結論」を求めています。このような次第ですから、メルケル首相も具体的な行動に移る可能性はほとんどないとみられます。
 ただ、ロシアの安全保障上の脅威に圧迫されているのは、ドイツも同様ですから、英国下院での議論のように、ロシアの石油パイプライン計画への承認が取り消される可能性は残るでしょう。そうなれば、経済的に困窮しているロシアはさらに追い込まれることになります。今回の暗殺事件が、ロシアの責任であったとしても、質の悪い罠にどんどん巻き込まれているようにも見えます。軍事予算も削減しているロシアはこれからどうなるのでしょうか。