なし崩し的に始まる米ロ関係
ロシアのクリミア侵攻とウクライナとの軍事紛争に、アメリカを筆頭とする西側諸国は驚きもし、非難もしましたが、従来の発想とはことなるトランプ大統領は、すべてを覆そうとしています。
「クレムリンの顧問によれば、ロシアのプーチン大統領は、来るべき会合でトランプ大統領を彼の「パートナー」と見なすだろうとのことだ。
プーチン大統領の顧問である外交官のユルク・ウシャコフ氏は、ジャーナリストらに、トラップを交渉パートナーと考えていると語った。
「二国間関係の状態は非常に悪い」とウシャコフ氏は述べた。 「我々はそれを正しく設定しなければならない」
ヘルシンキでのプーチン大統領の首脳会談の目的は、「両国関係の否定的状態を正しく設定し、改善するための具体的措置に同意し、多かれ少なかれ受け入れられる信頼レベルを確立することである」とウサコフ氏は語った。
「これらの交渉が、モスクワとワシントンへの可能な訪問を含む、継続的な接触について話せるようになる雰囲気が生み出されることを望む」と付け加えた。
両国指導者は、会合の1対1の部分について、彼らと1人の通訳だけを持つことになる、とウシャコフは確認した。
プーチン大統領をいつか友人として見ることができると望んでいると言ったアメリカの大統領に対して、モスクワは次のように応えていた。
「[プーチン]はロシアを代表している。 私はアメリカを代表している」とブリュッセルでNATO首脳会議のために出発する前に、トランプは言った。 「だから、ある意味では、私たちは競争相手であり、友人や敵といった問題ではない」
「彼は私の敵ではない。いつかはうまくいけば、彼は友人になるだろう」とトランプ氏は付け加えた。
トランプ氏は記者団に対し、プーチン大統領との会談は、米国の同盟国間の緊張を巻き起こしている他の最近の外交会議と比較して、「彼らの中で最も簡単なもの」かもしれないと語った。
テリーザ・メイ英首相との共同記者会見で、プーチン大統領に、2016年の大統領選挙におけるモスクワの干渉について問いただすと断言した。
「私は絶対にそれを持ち出すだろう。 ただ、プーチン大統領が、「その通りです。私がやりました」と答えるとは思わない。「ここにペリーメイソンはいない」とトランプ大統領は語った。
「しかし、何が起こるかは決して分からない」と彼は付け加えた。
その数時間後に司法副長官のロッド・ローゼンシュタインは、モスクワの選挙干渉に関するモラーの告発の最新版として、2016年の民主党全国委員会(DNC)のハッキングで12人のロシア諜報官を起訴したと報じた。」
Kremlin: Putin sees Trump as a 'partner' in negotiations | TheHill
「クレムリンはひどい奴らだ」と口では言っておきながら、プーチン大統領に自ら握手を求めるトランプ大統領を、ドイツのメルケル首相はどう見ているのでしょうか。
NATOは、このままでは崩壊する寸前です。少なくとも後4年後にはアメリカとEU諸国の関係は全く変わっていることでしょう。実際にはそうならないとは思いますが。
結局のところ、トランプには、イランを牽制し、中国を押さえるためにはロシアの協力が欠かせないのです。ですから、ボクシングのクリンチのごとくプーチン大統領に接近しているのです。
しかし、プーチンの勝利かと言えば必ずしも層はいえないのです。それは、現在の経済制裁が早期に解除される可能性は低いためです。北朝鮮と同じパターンですね。
こうした餌のにおいだけで釣るという手法は、いつか厳しい反発を受けることになるでしょう。