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アメリカ、従来のパレスチナ政策を放棄か

 トランプ大統領とイスラエルの関係の緊密さを考えると、さもありなんというニュースです。しかし、(実現するかはわかりませんが)今回の政策変更には、米国内でも反発が生まれています。そこが香ばしいところです。

 いろいろニュースはあったのですが、短いニュースで失礼します。
「 アメリカのイスラエル大使は、木曜日に、イスラエルが占領しているのはウエストバンクの僅か2%に過ぎず、ウエストバンクへの移住者はユダヤ国家の一部をなすと発言しています。
 このコメントはパレスチナ人を激怒させました。というのも、数十年にわたるアメリカのパレスチナ政策の変更を物語るものだったためです。
 デビッド・フリーマン駐イスラエル大使は、パレスチナの平和協定において定住者は引き上げるのかと尋ねられると、「彼らは、ウエストバンクの僅か2%を占有しているに過ぎない」と応えたのです。
 イスラエルが、ウエストバンクを確保したのは1967年の戦争においてでした。パレスチナ人は、ウエストバンクの40%を占める地域で限定された自治を享受しています。残りの60%はイスラエルが完全に管理しています。パレスチナは、ウエストバンクを将来の国土の一部であると主張しています。国際社会も、この地域へのユダヤ人の入植は不法であると見なしています。
 「明らかに、これらの入植者には重要な治安上の配慮がある。国民的、歴史的、宗教的意義が、これらの入植者にはある。入植者は自分たちをイスラエル国民と考えており、イスラエルも、これらの入植者をイスラエル国民と考えている」とフリードマンは述べています。
 パレスチナアッバス大統領の側近であるナビル・サーツは、ツイッターのビデオクリップで、米国大使は「法律とアメリカの地位に関する事実の完全な無知」をさらけ出したと非難しています。
 フリードマンの発言は、「中東に平和を作り出すというアメリカの将来の試みにとって大変悪いニュースだ」と、サーツは付け加えています。
 パレスチナ側の交渉官であるセーブ・エレカートは、フリードマン発言を「誤っており、誤解である」と呼んでいます。彼は声明の中で、1967年の国境に基づく「そうした地位はイスラエルパレスチナの間の永続的な平和を構築する進行中の努力を損なっている」と述べています。
 フリードマンは、イスラエルパレスチナ間の平和交渉を再開させるために努力したトランプ大統領チームの一員です。
 フリードマンは、トランプの破産時の弁護士でしたが、今年、イスラエル大使に任命されました。しかし、この動きは民主党とアメリカ国内のユダヤ人の反発を買っています。」

US Ambassador: Israel occupies just two per cent of West Bank | The Indian Express


 ここで今日興味深いのが、ユダヤ人の反発という点です。アメリカのユダヤ人といってもかなり前に米国に移住したユダヤ人もいれば、第二次大戦前後から米国に移住したユダヤ人もいます。今回反発しているのは、古いユダヤ人です。そして、現在のトランプ大統領を支えているのが新しいユダヤ人というわけです。新しいユダヤ人の報が、イスラエルを守るという意思に燃えています。アメリカ国内におけるユダヤ人同士の相克が米国政治を見る上での視点の一つと言えるでしょう。