尖閣はまず自力で守る
最近はきな臭いニュースが多いですね。
「 安全保障関連法の制定当時、武力衝突に至らないグレーゾーン事態への対処が論点になった。離島占拠などを想定し警備拡充の法整備を求める意見も与野党で上がった。施行から5年が過ぎ、沖縄県尖閣諸島周辺で中国の脅威が増すなかで議論が再燃してきた。
中国は尖閣諸島を埋め立てて2万人が居住する計画を持っている――。24日、自民党の会議に招かれた有識者が示した資料に出席議員は息をのんだ。中国側が動くきっかけや日本側の対応など議員側の質問が相次いだ。
尖閣周辺で連日、中国海警局の船舶が往来する。29日、操業中の日本漁船に白色の船艇が並走を始めた。船体に「中国海警」の文字。すかさず海上保安庁の巡視船が間に入る。電光掲示板と無線で「ただちに退去せよ」と呼びかけた。
中国船の領海侵入や接続水域の航行が目に見えて増えたのは日本政府が尖閣を国有化した2012年ごろだ。安保法を議論していた時期も問題になっていた。政府は13年から「グレーゾーン事態」という言葉を公式に使い始めた。
当時の小野寺五典防衛相が武力衝突に至る有事でも平時でもない、その中間にあたる事態として国会で答弁した。武装漁民が島を占拠しても有事と認定できず、自衛隊が実力阻止にあたれない点が問題提起された。
近年は危険な行為が増えた。海警が日本漁船に接近する事案は13年は2件、14年は1件だった。昨年は8件確認され、今年は3カ月で7件に達した。
中国の脅威は増す。2月の海警法施行で海警局の船舶に武器使用権限を付与し、準軍事組織の側面を持つようになった。軍が前面に出ないグレーゾーンの衝突が起こるリスクが強まっている。
領海警備の一義的な責任は警察や海保が負う。懸念されるシナリオの一例はこうだ。
中国漁船が尖閣周辺で故障、修理は進まない。部品調達に時間がかかるとして海警船の警備下で尖閣上陸を試みる。海保は早期退去を重ねて求めるが中国船は尖閣に停泊。緊迫する現場で1発の銃声を口実に中国海警が海保に攻撃を始める――。
政府は尖閣上陸を試みる外国船に関し、警察官職務執行法を根拠に危害射撃できる場合があると整理する。海保での対応が難しい場合は電話による迅速な閣議決定で自衛隊に治安出動を命じることも可能だ。現行制度で対処できると説明する。
自民党内は不十分だとの意見が充満する。国防議員連盟は26日に「隙間を埋める法整備が必要」とする提言をまとめた。
退去命令に応じない外国船に対し、国際法の範囲内で武器が使えると海上保安庁法に明記すべきだと主張する。事態を認定し閣議決定する間の時間を短縮するため、国境離島に事前に陸上自衛隊を配備する根拠規定も必要だと訴える。
自民党国防部会も近く提言する。とりまとめの会議で海保巡視船の運航記録を整理すべきだとの意見が出た。尖閣を巡り中国と国際裁判になった場合、綿密に警備しているのを示す客観的なデータが有効支配の証拠になるとの見立てからだ。
「尖閣の件だが……」。16日の日米外相会談でブリンケン国務長官の方から尖閣の話題を切り出した。茂木氏は「中国とは競争的、協調的、敵対的の3つの関係がある。尖閣はまさに敵対的な関係だ」と訴えるとブリンケン氏はうなずいた。
オバマ米大統領(当時)は14年、日本防衛義務を定める日米安全保障条約5条が尖閣に適用されると表明した。大統領として初の明言だったが日本側が尖閣の懸念を提起し米側が要求に答える形で確認した。今は米側からも問題を取り上げる。
在沖縄米海兵隊で政務外交部次長を務めた経験を持つロバート・エルドリッヂ氏は「中国が尖閣を埋め立てて軍事基地をつくった場合、米軍と近すぎる」と話し、米国の戦略上も尖閣は重要な位置にあると指摘する。
日本はこの海域での日米のプレゼンスを高め、尖閣を奪おうとする行動が割に合わないと中国に理解させることに主眼を置く。尖閣周辺を含む海域での共同訓練はその一環となる。
課題は日米共同対処の方針を迅速に決められるかどうかだ。尖閣で生じた事態が武力攻撃か否かで日米の見解が割れた場合、共同対処が難しくなるおそれがある。
エルドリッヂ氏は「武力衝突に至らない段階で日本がちゅうちょせず尖閣を守る姿勢を示す必要がある」と話す。
国民民主党の前原誠司元外相は2月の衆院予算委員会で「口先でバイデン大統領が(5条適用を)言ってくれた、ということだけで済む話じゃない」と指摘した。尖閣が日本の施政下にある状態を「守り抜くことが大事だ」と訴えた。
5条の対象は「日本の施政下にある領域」だ。米国が尖閣は日本の施政下にないとみなせば5条は発動されない。政府高官は「米国頼みではなく日本が前面に立って守る覚悟がなければ米国も動かないだろう」と話す。 」
どうこういっても、尖閣諸島は、少なくとも初期段階において日本側が守るしかないのです。尖閣諸島に2万人も中国人が住めばきっと軍事基地化されるでしょう。