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パンケーキ万歳!菅首相の豪腕を賞賛する

したたか 総理大臣・菅義偉の野望と人生 (講談社文庫)

苦労人だけあって豪腕ぶりが目立っています。安倍首相の手がつけられなかったことにも勇気を持って立ち向かっていく新首相には素直に賛辞を送りたいと思います。

  菅首相の政策立案のプロセスは、一般的な状況から政策を導き出すのではなく、目についた個々の論点を追求するという点にあります。
 従って、それらのばらばらな論点が見当外れであれば、悲惨な結果を生むのですが、現在のところはそうしたマイナス面は見られないようです。
 それよりも、政策実現における豪腕ぶりには驚かされました。
 まず、現在話題の日本学術会議の会員任命拒否ですね。時事通信の10月12日の報道によると、
日本学術会議の会員任命拒否を巡り、杉田和博官房副長官内閣府の提案に基づき、任命できない人が複数いると、菅義偉首相に口頭で報告していたことが12日、分かった。政府関係者が明らかにした。」(10月12日)

任命できない人が複数と副長官が首相に報告 | 共同通信

ということが真相だったようです。メディアの議論では、任命されなかった理由を明らかにすべきだという議論もあるようですが、任命されなかった先生方のプライバシーに関わることではないでしょうか。普通の言葉を使えば、身体検査で合格できなかったと言うことなのですから、怪しげな人間や組織と接点があったと言うことではないでしょうか。
 杉田和博官房副長官にかんしては、一貫して警察の警備畑の方で、官房副長官と言うポストは事実上日本の官僚機構のトップです。その下に集まる様々な情報から「不適切」という判断が下されたと考えることが出来ます。
 ここに何の問題があるのかわかりません。
 もう一つ大きなニュースがありました。それが警視庁外事課の改組です。10月9日の産経新聞は次のように報じています。
「警視庁公安部の管轄で、ロシアや中国、北朝鮮などによる工作活動やテロを取り締まる「外事課」について、現状の全3課体制から4課体制へ改編することが9日、同庁関係者への取材で分かった。北朝鮮関連事案の捜査に専従で当たる課を設ける。
 現在の外事課は、ロシアなどが捜査対象の「外事1課」、中国と北朝鮮を対象とした「外事2課」、海外での邦人被害テロ事案などを捜査する「外事3課」からなる。
 同庁関係者によると、組織改編では、外事2課が受け持っている中国と北朝鮮を分離。新外事2課が中国、新外事3課が北朝鮮を捜査対象とし、海外テロ事案は新設される「外事4課」が担う。中国と北朝鮮に対し、担当課がそれぞれ特化して対応できることとなり、情報収集の強化などが見込まれる。
 同庁関係者によると、来年4月をめどに新体制を発足させる。警視庁は外事課の人員拡大に伴う予算や配置などについて、東京都など関係機関と調整している。同庁関係者は、「中国と北朝鮮の脅威は増しており、組織改編で情勢に応じた体制を構築する」としている。」(10月9日)

警視庁が外事課を改編へ 中国・北を各課専従に - 産経ニュース

つまり、対中国、対北朝鮮のスパイ事件に積極的に対応する姿勢を確立しようとしているのです。
 国家インテリジェンスの確立のためには、まずカウンターインテリジェンスの確立が前提となります。
 敢えて言いますが、日本学術会議の問題にしても外事課の改組にしても安倍政権の下では起きなかったことです。そしてこの二つの問題には共通点があります。日本学術会議の場合は、中国の「千人計画」との関与が問題に成っていました。外事の改組は当然ながら中国シフトです。つまり、管政権で初めて対中カウンターインテリジェンスが確立されつつあるという事です。パンケーキ万歳ですよ。