河野・ポンペオ会談
安倍首相とポンペオ国務長官の対談があるかも、と予想していましたが、実際には河野外務大臣が会談することになりました。
産経新聞からです。
「河野太郎外相とポンペオ米国務長官は、北朝鮮に対し「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」を求めることで一致した。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領との首脳会談などを通じて非核化への意思をアピールする中、原則に基づき冷静に対処していくことを確認した形だ。
ポンペオ氏は4月26日、国務長官に就任したばかりで、会談は2人がヨルダンに滞在したわずかな時間をぬって設定された。
外務省筋は今回の会談について「ポンペオ氏はCIA(中央情報局)長官のとき、北朝鮮問題の米側の中心的な責任者だった。北朝鮮をめぐって大きな動きが生じる中、早期の実施を日米間で調整してきた」と重要性を強調した。
河野氏は金氏と面談した際の様子をポンペオ氏から聞いたとしており、日本の対北戦略を考える上でも会談は貴重な機会になったようだ。トランプ米大統領の信頼が厚く、北朝鮮の体制転換を示唆したこともあるポンペオ氏との関係構築は、北朝鮮をにらんだ日米協調をさらに深化させるとみられる。(以下略)」
米の北戦略中心人物…ポンペオ氏との早期会談を重視 河野太郎外相、正恩氏の様子も聞き出す(1/2ページ) - 産経ニュース
北朝鮮との交渉は、これまで、ティラーソン元国務長官ではなく、ポンペオCIA長官が行ってきました。その意味では、日本政府としても初めて対北朝鮮交渉の担当者と接点を持ったと言えます。
文在寅に頼むよりも、ポンペオ国務長官に依頼する方が安心できるとはいえそうです。
ただ、会談が行われたのが中東というのが何とも意味深です。ポンペオ国務長官は、サウジアラビアも訪問し、対イランで結束を固めています。当然、イスラエルにも赴きます。そこに、安倍首相もほぼ前後して訪れるのですから、言外の内に、米国・イスラエル・日本枢軸が形成されつつあるといっても良さそうです。
この枢軸の準加盟国といえるのが、英国・フランス・それにインドです。オーストラリアはどうなんでしょうか(笑)。
この枢軸に真っ向から対立するのが、ロシア・イラン・シリアという軸です。そこに、中国を付け加えることができるかもしれません。
これが、アジアでは、中国・南北朝鮮に対して、日米を中心にフィリピン・ベトナムが加わるという形になります。
これらの対立の図式に共通しているのは、米中対立は不可避であるということです。これまでの経緯から、アメリカは決して中国を切ることができないと主張する学者の方もおられます。
しかし、トランプ政権は、現在でこそ、中国には愛想が良いものの、中国との本格的な軍事対立を検討しています。中東が片付けば、東アジアという計算があるのかもしれません。
いずれにせよ、これらの対立の背後にはイスラエルが控えていると言うことは忘れるべきではないでしょう。