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シャングリラ会議でのマティス発言

芸術はポスターを印刷します - シンガポールの超高層ビルホテル - キャンパスアートプリントポスター - 75cmx50cm

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 北朝鮮問題はもう過去の問題。シャングリラ会合では、中国がやり玉にあがりました。
 シャングリラとは、IISS(The International Institute for Strategic Studies)(英国国際戦略研究所) が主催するIISSアジア安全保障会議(シャングリラ会合)のことです。この会議は、地域安全保障枠組の設立を目的として設置され、毎年シンガポールにおいて、アジア太平洋地域の国防大臣などが多数参加する国際会議であり、地域の課題や防衛協力などが話し合われていることで有名です。一言でいえば、その年のアジアにおける安全保障問題が議論される場ということができます。

  「金曜日にマティス国防長官は、中国は南シナ海域で「脅迫と抑圧」戦略を展開しているとして非難し、必要があれば北京と「積極的に競合する」と宣言した
 シンガポールのシャングリラ会議で演説を行ったマティス国防長官は、中国によるミサイル部隊や軍用機を含む軍備の南シナ海への展開は北京の意図に関する疑問を提起していると語った。
 ブルームバーグによれば「中国側は全く逆のことを主張しているが、これらの武器の配備は、脅迫と抑圧を目的とした軍事目的の使用に直接結びついている。」とマティスは語った。
 「南シナ海における中国の政策は、われわれが推進する開放戦略と著しい対照をなしている」と彼は続けた。「中国の政策は、中国のより広範な目的に関して疑問を提起している
 米朝の対立が激化しているときに、今回のマティスのコメントが発表された。両国は貿易問題で対立しており、中国も南シナ海の領有権を依然として主張している。
 先月、中国は長距離爆撃機をこの地域に配備し、軍事演習を行った。
 日曜日には、米軍は2隻の軍艦を、中国が領有権を主張する地域に派遣した。これがワシントンの北京に対する最新の対応である。
 マティス国防長官は、金曜日に、「アメリカは、中国との結果本位の建設的な関係を追求する」と語っている。しかし、それと同時に、北京の戦略はアメリカの戦略と真っ向から対立しているとも語っている。(以下略)」

Mattis accuses China of 'intimidation and coercion' in South China Sea | TheHill

北朝鮮問題はもう実質上片付いたので、今度は中国ですという発言内容でした。RIMPACにも中国人民解放軍は招待しないというのもその一つの流れです。台湾でも中国に対する牽制が始まっています。これから、2年から3年の時間をかけて本格的な衝突に向かうことになります。

 このシャングリラ会合は貴重な外交の場所でもあります。

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  モディ首相とマティス長官。モディ首相の動きは、今後の米中戦争を理解する上でもチェックが欠かせません。ロシアとの関係は最低限にとどめ、それ以外の諸国との関係強化に動いています。アメリカだけでなく、イスラエル、北欧諸国とも関係を深めています。外交的な孤立を深める習近平の中国とは対照的です。

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 この写真の左側が、フィリピンのデルフィン・ロレンザーナ国防大臣です。この明るい笑顔からも、アメリカとフィリピンが手を結んで中国に対抗しようとしていることがわかります。

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 左側は小野寺防衛相、右側はオーストラリアのマリーズ・ペイン国防相です。こうしてみると、中国と対抗するであろう国々とマティス長官との関係が極めて良好である事が確認出来ます。米中紛争の外交的な枠組は2018年5月でもって完成したと言えるでしょう。