焦るプーチン政敵を暗殺する
このままではロシア国内でもプーチン批判が噴出しそうです。
話の始まりはお隣の国ベラルーシでの不正選挙疑惑でした。この不正選挙への抗議から、一気にルカシェンコ大統領退陣要求がベラルーシで高まりました。今月9日に実施された選挙があまりにインチキであったために、ベラルーシの国民が激怒したというのが真相です。それが、なんと、ロシア極東に飛び火しました。ハバロフスクでも反プーチンデモが6週間連続で発生しています。最近では「ベラルーシよ、永遠に」と支持の合言葉を叫び、西に9000キロメートル離れたベラルーシのデモにエールを送り始めています。ロシア流の民主主義にロシア人もうんざりしているので、これはなかなかプーチンにとって苦しい事態です。
「 しかし、プーチン氏と同じく20年以上権力を握り続ける独裁指導者に対して、ロシア語を話す市民数万人が抗議の声を上げる光景は、同氏にとっては不安だろうともコレスニコフ氏は指摘する。
「彼としては、ベラルーシの抗議は失敗する必要がある。隣の『兄弟』国で抗議が成功を収めるのは、気分が良くないだろうから」と分析。
ベラルーシで危機が始まって以来、プーチン氏はルカシェンコ氏と数回、電話で話し、必要があれば軍事支援を行うと申し出た。ただ、今のところ、ロシア政府はその必要はないと判断している。
ロシアの政治体制は厳格に統制されているため、反政府派は影響を行使するのに何年も苦心してきた。しかし今、彼らはベラルーシのデモから着想を得ている。
野党指導者のナワリヌイ氏は来月のロシア地方選挙に向けて14日、動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」で、今回、ベラルーシの基幹部門の労働者によるストの成功をきっかけに、政権が抗議活動に対応せざるを得なくなったエピソードを興奮気味に紹介した。ルカシェンコ氏の対立候補に投票したと訴える労働者たちの映像もアップしたが、そこには「ロシアの将来」とのナワリヌイ氏のコメントが付けられていた。
ナワリヌイ氏の側近のレオニド・ボルコフ氏は、自分たちはベラルーシ当局のやり口を注目していると話す。「私たちは、ルカシェンコ氏がインターネットを切断しようとしたことを注視している。これは非常に重要だ。なぜならロシアでも、間違いなく同様の事が待ち受けるからだ」とツイートした。
ロシアの反政府活動家らは、2024年のロシア大統領選で今のベラルーシと似た状況が訪れる可能性を見据えている。プーチン氏は憲法改正に成功、再出馬を可能にした。
ロシアの野党政治家のドミトリー・グドコフ氏は「今のベラルーシに、われわれの近未来が見える」と語り、ベラルーシの大統領選では投票結果をすげ替える不正が行われたのは間違いないと指摘した。
ロシア大統領府も、潜在的な脅威を警戒している兆しがある。
ロシア国営メディアは当初、ベラルーシの抗議デモを同情的に伝えていたが、その後は論調を切り替えた。外国政府による介入や、ポーランドが地域的優位を虎視眈々と狙っていることに言及するようになり、過去の東欧などでの民主化運動も取り上げるようになった。これはウクライナやジョージアでの体制抗議活動のことを指す。
モスクワにあるベラルーシ大使館周辺で数百人の同国人がピケ隊を組んだ際には、たまりかねてロシア当局が排除に乗り出し、プラカードなどを近くのごみ箱に投げ捨てた。」
焦点:ベラルーシの抗議活動、プーチン氏にも不安材料となる理由 - ロイター
こうやって周囲の諸国から民主化がじわりじわりと進んでいけば、プーチンはかなりやばい立場に追い込まれます。と思っているところに思った通りの展開になっています。
「 ロシアの野党勢力指導者でウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領批判の急先鋒(せんぽう)として知られるアレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏(44)が、意識不明で病院に搬送された。同氏の広報担当者が20日、明らかにした。毒を盛られたようだという。病院の関係者は、医師らが救命努力を行っていると語った。
ナワリヌイ氏の広報担当者、キラ・ヤルミシュ(Kira Yarmysh)氏によると、ナワリヌイ氏はシベリア(Siberia)からモスクワに移動中の機内で意識不明に陥り、飛行機は緊急着陸した。
ヤルミシュ氏はツイッター(Twitter)に「アレクセイが毒を盛られた」「現在、集中治療室に入っている」と投稿。「紅茶の中に何らかの毒が混入されていたとみている。けさ、彼が口にしたのはそれだけだ」「医師によると、毒物は熱い液体を通じて短時間で吸収された」と説明した。
ヤルミシュ氏によると、ナワリヌイ氏は空港で紅茶を飲み、離陸後すぐに意識を失ったという。
タス通信(TASS)も、ナワリヌイ氏がシベリアの都市オムスク(Omsk)の救急病院の集中治療室で中毒症状の治療を受けていると伝えた。病院の医療主任は、ナワリヌイ氏の容体についてタス通信に「重体だ」と述べた。
また同院の副院長は報道陣に対し、「医師らはとにかくできることを全て行っている。ナワリヌイ氏の命を救うため、今全力を尽くしている」と明かした。
大統領府のドミトリー・ぺスコフ(Dmitry Peskov)報道官は19日、記者らに対し、ナワリヌイ氏の体調不良について把握していると明かし、「容体は深刻だと聞いている。どのロシア国民に対してもそうするように、われわれは同氏が早く回復するよう祈っている」と述べた。
ナワリヌイ氏はロシア政権中枢の汚職を追及し、プーチン大統領を露骨に批判してきた人物。過去にもたびたび身体的な攻撃を受けており、昨年8月には無許可デモを呼び掛けたとして逮捕され収監中に、両まぶたが腫れ上がり体のあちこちに膿瘍(のうよう)ができる「重度のアレルギー症状」で病院に搬送された。この時も、ナワリヌイ氏側は毒を盛られたと主張し、捜査を要求していた。」
ロシア野党指導者ナワリヌイ氏、意識不明で集中治療室に搬送 紅茶に毒か 写真7枚 国際ニュース:AFPBB News
都合の悪くなった人間は、とりあえず暗殺というのがロシア流ですね。これだけは絶対に変わらないですね。