弱気相場に入り始めたマーケット
24日にはアメリカのマーケットで変調がみられました。その原因を考察します。
「 米国株式市場は続落して取引を終えた。週末を控える中、軟調な企業決算や新型コロナウイルス感染者の急増、地政学的な不確実性などを背景に幅広く売りが出た。
前日に続き、ハイテク株の下げが主要3株価指数の重しとなった。回路線幅7ナノ(ナノは10億分の1)メートルの半導体技術の開発が予定より6カ月遅れていると発表したインテル(INTC.O)が16.2%安と、下げを主導した。
LPLフィナンシャルのシニア市場ストラテジスト、ライアン・デトリック氏は「週末を控え不安感がある」と指摘。過去2カ月間でのナスダック総合やハイテク株の上昇は驚くべきものだったとし、調整があってもおかしくはないと述べた。
週間では3指数とも下落。S&P総合500種とダウ工業株30種は4週ぶりの下げ、ナスダックは過去4週間で最大の下げとなった。
S&Pは今週、2月の最高値を約5%下回る水準まで回復。足元では昨年末とほぼ同水準となっている。一方、ナスダックは年初来で約15%上昇してる。
デトリック氏は「7月のこれまでの上昇を考慮すると、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)や相次ぐ企業決算、史上最悪となり得る国内総生産(GDP)発表を前に不安感が広がるのも無理はない」と語った。
来週30日にはアップル(AAPL.O)、アルファベット(GOOGL.O)、アマゾン(AMZN.O)が決算を発表するほか、米商務省が第2・四半期のGDP速報値を公表する。アナリストによると、第2・四半期のGDPは35%縮小が見込まれている。
米国で確認された新型コロナ感染症による死者は23日に1000人超増加した。死者が1000人を超えるのは3日連続。感染者数は累計で400万人を突破している。
中国外務省は、24日午前に米国大使館に対し、四川省成都市にある総領事館の閉鎖を通知したと発表した。米政府が今週、テキサス州ヒューストンの中国総領事館の閉鎖を命じたことへの対抗措置となる。
業種別では、S&P11セクターのうち、一般消費財.SPLRCD以外が下落。情報技術.SPLRCTが下落率トップとなった。
ヘルスケア.SPXHCは薬価引き下げを盛り込んだ大統領令の発令を控え、1.1%安となった。
第2・四半期決算では、S&P500構成銘柄のうち128社が発表を終え、そのうち80.5%が非常に慎重なアナリスト予想を上回った。」
米国株続落、決算やコロナ感染が重し インテル大幅安 - ロイター
アメリカ経済への不安を挙げるならば、政府に呼ぶ資金のバラマキ計画がそろそろ終わりに近づいていること、そのために、脆弱な米国経済の実態が表面化する可能性が高いこと、そして、とどめが米中対立の鋭角化といったところでしょう。米中関係は確かに悪化していますが、コロナがどうにも止まらないのが、米国経済の大きなマイナス点でしょう。コロナが収まらない限り、米国が経済的に復権する可能性は低いでしょう。冬あたりにコロナの第二波が来れば、相場は相当荒れると予想できます。個人的にはワクチンが不可能な可能性を想定していまして、その場合は、従来考えられなかったほどの下落となるでしょう。そうならなければよいのですが。その時まではじっと買い場を待つのが成功する投資戦略ではないでしょうか。