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トランプ大統領に完敗した習近平

習近平の敗北 - 紅い帝国・中国の危機 -

 普通に考えて、習近平が三期目をできると言う可能性はだいぶ低くなってしまったといえるでしょう。

 「 「(中国国家主席の)習近平が(米大統領の)トランプに屈服した『城下の盟』ではないのか」「米側は一方的に合意達成度を監視・査定でき、輸入拡大では2年で2000億ドルという数字まで約束してしまったようだ」「半年以上も時間を無駄にしてこんな結果か」「(中国共産党機関紙の)人民日報でさえ堂々と報じるのをためらう恥ずかしい内容なのだ」
 言論統制が厳しい中国で米中第1段階合意についてひそかな論争が起きている。政治談義好きな北京の人々の間ではインテリ、庶民を問わずこの話題で持ちきり。インターネット上の言論は人工知能(AI)に監視されているため、顔を付き合わせてのひそひそ話も目立つという。表に出にくい市井の大論争である。
 「城下の盟」とは、敵軍に都を守る最後の城壁まで攻め込まれ、やむなく結ぶ降伏または講和の条約を指す。紀元前700年ごろ、春秋時代の楚の国の故事が起源である。アヘン戦争(1840~42年)敗戦で清王朝香港島を英国に割譲、上海などを開港した南京条約が典型例だ。
 古代中国では「城下の盟」を結ぶしかない不利な情勢の場合、城内の兵、庶民は敵の大軍の人馬が迫る地鳴りを自ら感じて粛々と受け入れた。玉砕より身を屈して敵陣に和議を申し入れる人命重視、兵力温存は、もともと恥ずかしいことではなかった。
 だが、中国共産党が統治する巨大国家ではちょっと事情が複雑だ。習近平(シー・ジンピン)指導部は「持久戦に持ち込めば優位に立てる」と説明してきた。それだけに圧倒的に不利になった不都合な事実をできるだけ伏せたい。一部に屈辱的、売国奴という激しい批判がある以上、合意文に書き込んだ衝撃的な内容の早期公表にはリスクがある。ここは戦前日本の大本営発表と少し似ている。
 驚くのは14日夜、国営中央テレビが放映する夜7時のメインニュース、15日付の共産党機関紙、人民日報が世界で大々的に報じられた米中第1段階合意に関して一切、報道しなかったことだ。その後も米中合意に関する公式論評はほぼない。息をひそめて様子を眺めているのだ。
 今回の経緯を時間を追って見てみよう。合意発表は15日に迫っていた対中報復関税発動の直前ぎりぎり。米中同時だった。中国側は13日午後11時(中国時間)に関係部門の副大臣らが北京で記者会見し、中国メディアも速報で大要を伝えた。
 それでも最も権威ある中国の新聞、テレビは翌日、公式な扱いを避けた。ねじれは大きい。深夜の中国側の記者会見にも一端が見えた。対米交渉を主導した副首相の劉鶴(リュウ・ハァ)はおろか、商務、農業両省や国家発展改革委員会の担当閣僚の姿さえ見えない。成果をアピールできる絶好の機会なのに「役人」しかいない
 とはいえ屈辱的、売国的という批判は酷かもしれない。今、中国は経済的な非常時である。一時的でも貿易戦争の「休戦」が実現すれば一息付ける。賢明な判断だろう。
 今回の合意を巡る米中双方の星取表はどうか。今年4月末の段階で一度、まとまっていた150ページの米中合意案。こともあろうに中国は5月初旬までに重要事項の3割を破棄し事実上、白紙に戻した。これは大いに尾を引いた。自ら第3弾、第4弾の制裁関税引き上げを招いてしまったのだ。
 米側などによると今回の第1段階合意は(1)知的財産権(2)(強制的)技術移転(3)農業(4)金融サービス(5)通貨(6)貿易拡大(7)査定・評価と紛争処理――の7項目だ。結局、合意の着実な実行を米側が監視、査定・評価できるシステムが盛り込まれている。
 国際法上、拘束力を持つ法的内容だけに条約に近い。中国の国会に当たる全国人民代表大会の委員会の承認も必要になる。まさに4月末時点で中国が最も反発していた「不平等条約」なのだ。
 貿易不均衡是正へ米国からの輸入を2年間で2000億ドル(21兆8千億円)増やすという数字も盛った。農産物輸入は400億~500億ドルへの拡大だという。トランプは誇らしげだった。中国側は公式には「輸入量は市場が決めること」と説明するが、分野別の数値目標を受け入れたのだ。
 守勢の習近平は、共産党による独裁体制の維持に必要な根幹のシステムを守るだけで精いっぱいだったトランプは「不公平な産業補助金を廃止せよ」と迫り、民間企業重視に転換する国有企業の抜本改革も強く求めていた。これらを第2段階の交渉にやっとのことで先送りしたのが実情である。
 振り返れば4、5月に妥結した方が中国に有利だったはずだ。同じ不平等条約でも報復関税の第3弾以降がなく、7~9月成長率も6.0%まで落ち込まずに済んだかもしれない。中国側は5月から「自力更生」「持久戦」に舵(かじ)を切った。米大統領選が近づけば自らに有利になる。米農産物購入の匙(さじ)加減でトランプの重要票田に影響を与え、操るのは簡単だ」と見ていたフシがある
 だが予想に反して時間の経過はトランプ有利に働いた。中国経済の急激な落ち込みは容認できる範囲を超えていた。完全な判断ミスだ。習近平には、これ以上突っ張る選択肢が残されていなかった。
 「今年の税収は厳しい。マイナスを回避できるかどうか。景気対策に充てる大幅減税の原資がもうない状態だ」(中国の経済関係者)という。2020年の成長目標も6%前後、場合によっては5.5~6%という案の検討も視野に入っていた。
 第1段階合意で中国が得たのは、第4弾関税の残存部分見送りと、9月に発動した15%の半減だけだ。しかも唯一の成果である半減は正式署名の30日後。早くて2月以降で規模も小さい。これ以外は米側の要求に一方的に応える内容だ。「ベタ降り」と見られても仕方ない。
 「最終的に今回の合意がうまくいくかは、中国側で(強硬派と改革派の)どちらが決断するかにかかっている」。米側交渉代表のライトハイザーはテレビインタビューで語っている。改革派の主導で合意が着実に実施されるよう期待を示したものだ。
 トランプが意欲を示す第2段階の交渉は、いつ始まるのか見通せない。産業補助金と国有企業改革という社会主義中国の根幹問題だけに共産党中枢は二の足を踏む。既得権益層が自ら抜本改革に踏み込むのは不可能だ。国有企業改革、産業補助金改革だけが外されたのは既得権益死守の象徴だろう。」

「習近平はトランプに屈服したのか」中国の市井で大論争 (写真=AP) :日本経済新聞

これではトランプ大統領習近平が完敗したといっても良い内容でしょう。交渉を一旦白紙にしたのは中国側の致命的な判断ミスであったと言えるでしょう。これで三期目はないでしょう。むしろ米中の貿易問題が十分な解決を見なかったのですから、来年は中国経済は相当シビアな状況に追い込まれるといっても良いでしょう。ことしは10月クラッシュ説が大きかったので各国の政策当局が相当無理をして暴落を阻止したという側面があったと思います。しかし、さすがに来年はもう弾切れでしょう。これでは軍事的に勝利を収めるぐらいしか逆転ホームランの可能性はないでしょう。しかし、トランプ大統領も弾劾裁判もありますから、軍事活動に出る可能性はわれわれが考えているより高くなっていると言えます。(北朝鮮が大人しくなったのはそれが原因)紛争が起きるとはまだ考えにくいのですが、とするならば、着火寸前の中東の状況がやはり気になるところです。