米上院院内総務の苦悩
中華人民共和国という国が成立してもう70年になります。中国共産党が結成されたとされるのが1921年ですから、もうすぐ100年です。
本来であれば、建国70周年はめでたいことなのでしょうが、どうも上院院内総務にとってはそうではなさそうなのです。
「 共和党の上院院内総務のミッチ・マコーネル(R-Ky。)は、中国の共産主義政策は中国市民にとって「悲劇」であり、国際的な隣人に対する「脅威の指標」であると述べた。
マコーネルは火曜日、中華人民共和国の70周年と「中国共産主義の支配下で失われた数百万人の命」を認める声明を発表した。
「中国共産党の方法は、北京の支配者によってもっと尊敬され、より多くの自由を与えられるに値する10億人以上の中国人にとっての悲劇だけではない」とマコネルは声明で述べた。「中国共産党は近隣諸国にも脅威をもたらしている。」
上院院内総務はまた、6月以来香港の街頭に出てきた民主主義の抗議者を認め、抗議に反対する中国の反応を非難した。
「私は特に香港での民主主義活動家に対する暴力の継続的な使用を非難する」と彼は述べた。「中華人民共和国の70周年に、その代表が基本的な個人の自由を維持しようとする香港の抗議者に対する武力行使が限定されることは、全く当然だ」
マコーネルの声明は、香港の警察がデモの数か月後に初めて抗議者に実弾を発砲して、抗議者が重傷を負った後になされた。
また、トランプ大統領が 中国とその習近平国家主席に対するお祝いの言葉をツイートした後でもあった。
他の共和党議員は記念日を厳粛に認めた。リズ・チェイニー下院議員(R-Wyo。)は、記念日は「お祝いの日ではない」と言った。」
McConnell: Communist Party's methods a 'tragedy' for Chinese people | TheHill
マコーネル上院院内総務といえば、ついこの間までは共和党の親中派の代表格でした。妻であるイレーン・チャオ運輸長官とならんで、江沢民との深い関係は有名でした。その彼が、現行の中国の共産党体制を批判するというのは感慨深いものがあります。
理由として考えられるのは、アメリカのエスタブリッシュメントからの圧力、もしくは、江沢民派を壊滅させつつある習近平への嫌みの2つです。可能性としてはアメリカの世論が反中でまとまっていることから、アメリカのエスタブリッシュメントからの圧力であろうと思われます。
本来の立ち位置でいえば、党内の中国強硬派をなだめなければならない立花筈ですが、院内総務が自ら中国に対して強硬な発言をせざるを得ないのだとすれば、マコーネル氏にとっても胸の内はさぞかし苦しかろうと思えて成らないのです。
今後も、ファーウェイなどと並んで、中国勢力狩りのような状態がアメリカで続くことでしょう。その意味では通商協定が一時妥結したとしても、決して永続的なものではなく、米中二カ国の今後の関係は限りなく悪化すると言えそうです。