世界の工場、中国の終わり
いよいよ中国も終了の時間を迎えています。
結局、米中貿易戦争は終わらず、ずるずる続くわけです。企業側の対応は、少なくとも輸出品に関しては、中国からの脱出しかあり得ません。ですから、今後も企業は次々と中国から脱出することでしょう。
「米国が対中制裁関税を発動して1年が過ぎ、企業が生産拠点を中国外に移す動きが加速している。米アップルが生産を委託する中国企業はベトナムでイヤホン生産に乗り出す。米中摩擦が長期化する懸念が強まるなか、生産移管を検討する世界の主要企業は日本経済新聞の集計で50社を超えた。外資企業は中国の輸出入の4割を占める。生産移管が本格化すれば中国経済に打撃となる一方、企業も部品調達網の見直しなど負担が増す可能性がある。
アップルは中国生産の15~30%を海外に分散するよう主要取引先に促している。中国の電子機器大手、歌爾声学(ゴーテック)はベトナム北部でアップルのワイヤレスイヤホン「エアーポッズ」の生産を始める。同製品の中国外での生産は初めて。
部品メーカーなど複数の関係者によると、数週間以内に最新モデルのテスト生産を始め量産につなげる。ロイター通信などによると台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業は「iPhone」の最新モデルをインド南部で生産する見通しだ。
中国での人件費上昇という従来の要因に米中対立の長期化懸念が重なり、企業が生産拠点や供給網を再編する動きが本格化する。
米HPやデルは中国でのノートパソコン生産の最大3割を東南アジアなどに移管する検討に入った。任天堂は主力の家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の生産の一部を中国からベトナムに移す。電子機器以外でもコマツが建機部品の一部を日本や米国に移管するなど、業種や移管先が広がる。
中国経済における外資企業の存在は大きい。国家統計局によると外資のモノの輸出入額は17年に約1兆8千億ドル(200兆円弱)と全体の4割を超えた。17年末時点で外資と、香港や台湾系企業を合計した都市部の雇用者数(登録ベース)は約2600万人と全体の約15%を占める。
中国政府は外資の中国離れによる雇用や投資への悪影響を懸念しており、規制緩和など優遇策を相次ぎ打ち出している。(以下略)」
貿易摩擦「中国生産を移管」50社超 アップルなど :日本経済新聞
とするならば、今後世界を席巻するであろうチャイナショックのダメージは東南アジアは軽微であるといえます。この記事にもありますが、特に、ベトナム、インドは空前の好景気を迎えることでしょう。
投資に関していえば、チャイナショックのダメージをいかにしてコントロールするかが喫緊の課題になっていますが、インド・ベトナムがその鍵になるのではないでしょうか。