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中国経済、全面崩壊

軍事的視点で読み解く 米中経済戦争 (ワニブックスPLUS新書)

 始まったな、中国(笑)!

  この数か月、報道管制がされているのではないかと思うほど、中国経済に関するネガティブな報道は見られませんでした。しかし、そろそろ中国経済の実態を伝える報道が複数見られるようになりました。

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「 李克強首相は、2019年3月5日の政府作業報告書で、2019年の赤字率は2.8%で、昨年の予算より0.2ポイント高い見込みであり、財政赤字は2.76兆元になると述べた。 その内訳は、国家財政が1.83兆元、地方財政9,300億元の赤字である。実際、2019年上半期の国家財政と地方政府の財政赤字は4.31兆元にものぼった
 上の表からは、各州と都市の状況をより正確に見てとることができる。2019年上半期の31の省および都市では、上海を除くすべてが財政赤字であった。最も深刻な赤字の省は、河南、湖南、雲南、および貴州である。
 今年の後半と年の前半の4.3兆の赤字を考慮すれば、2019年の赤字の合計は10兆元に達する
 2019年の第1四半期に、債務はGDPの300%を突破した。(以下略)」

https://bowenpress.com/news/bowen_211026.html

 とにかく、中国の財政事情が国や地方を問わず急速に悪化していることがわかります。(グラフは博聞社より)

 次は中国の貿易統計です。

 「 中国税関総署が8日発表した2019年8月の貿易統計(ドルベース)によると、輸出は前年同月比1%減の2148億ドル(約22兆円)、輸入は同6%減の1799億ドルだった。輸出、輸入がそろって前年同月の水準を下回るのは6月以来、2カ月ぶり。米国との貿易が大幅に縮小したのが主な原因だ。米国との貿易戦争の打撃が本格化してきた。
 輸出から輸入を差し引いた貿易収支は348億ドルの黒字だった。輸入の減少幅が輸出の減少幅を上回り、黒字額は前年同月を25%上回った。
 貿易不振の主因は最大の相手国である米国との貿易が縮んだことだ。
 輸出は前年同月比16%減、輸入は同22%減といずれも大幅に減った。7月の対米輸出は同7%減だった。中国の対米貿易はこれまで輸入が先行して減ってきたが、輸出の減少幅が拡大してきた。
 トランプ米政権が19年5月、中国製品2千億ドル分への関税率を10%から25%に上げたのが響いた公算が大きい。対米黒字は269億ドルと前年同月より13%減った。
 米国以外も含めた貿易全体をみると輸出の減少は2カ月ぶり。主力の携帯電話(前年同月比11%減)、パソコン(同13%減)がいずれも2桁の減少率を記録した。労働集約型の衣類、ニット類、家具なども軒並み前年同月の水準を下回った。
 対米輸出の不振を補ったのは、ベトナムをはじめとする東南アジア諸国連合ASEAN)向けの輸出だ。ASEAN向けの輸出は前年同月比11%増え、とくにベトナムは26%も増えた。外資にくわえて中国企業ベトナムに生産拠点を移し始めており、中国から部材をベトナムに輸出している。米国の追加関税を避ける迂回輸出の拠点としてベトナムを活用しているとの指摘もある。
 一方、輸入が前年同月の水準を下回るのは5月から4カ月連続となる。輸入減少は中国の内需低迷を映している。最大の輸入品である半導体は同2%増と前年同月を上回ったが、力強さはない。(以下略)」

中国、8月の輸出・輸入とも前年割れ 対米が大幅減 :日本経済新聞

 一番大きいのは、米中貿易戦争です。関税の引き上げにより、どんどん中国は追い詰められています。またそれに伴って、現在はサプライチェーンの見直しが始まっており、その際に中国での製造過程が海外に逃避しています。普通に考えれば、中国経済は絶体絶命といったところでしょう。

 これだけでも十分な気がしますが、個人消費もチェックしておきましょう。

「 消費者は「縁の下の力持ち」として中国を景気悪化から救ってきた。米国と通商紛争が起きても、景気減速懸念が広がっても、消費者は買い物を止めなかった。政府統計によると、今年上半期の国民1人当たりの消費は名目ベースで前年同期比7.5%増加し、消費財の小売売上高は8.4%増えた。(中略)
 個人消費の増加は詰まる所、上半期に名目ベースで8.8%の伸びを示した可処分所得の増加に由来している。可処分所得の増加を支えたのは個人所得減税で、政府推計によると減税策により政府の歳入は3080億元(約4兆5000億円)減った。ガベカル・ドラゴノミクスのエルナン・キュイ氏の推計によると、可処分所得の伸びのうち1.6%ポイントが減税の効果。キュイ氏によると、さらに上半期の消費のうち0.8%ポイント分は住宅の値上がりが寄与したという。
 消費者がいずれ悪材料の影響を感じるようになるのは間違いない。追加の支援策がなければ消費者は勢いをかなり鈍らせるかもしれない。上期の経済成長の60%を消費に依存している経済にとっては不安だ。
 中国の消費減速は企業業績にとっても重しになるだろう。例えば「KFC」などのファストフードレストランを展開するヤム・チャイナは先の決算発表時、成長が鈍るかもしれないと警告を発した。アップルなど、既に中国での販売が鈍り、対中制裁関税の影響が予想される米企業の被る痛みはもっと大きいかもしれない。」

コラム:減税が下支えする中国個人消費、減速は時間の問題か - ロイター

 つまり、この数か月、中国経済が好調に見えた背景に、個人所得減税があったという指摘です。このロイターの記事では、米企業の痛みを指摘していますが、それ以上に欧州の企業、特にドイツ企業の痛みは想像を絶するものになるでしょう。

 いずれにせよ、ビッグショートは間近に迫ってきました。楽しみに待つことにしましょう。