FirstHedge 明日の投資情報

投資を搦め手で分析します。

アメリカ、スパコンも。

スパコンを知る: その基礎から最新の動向まで

 本格的な米中通商問題の解決は、ほとんど永遠にあり得ないことがわかります。

 「 米商務省は21日、安全保障上懸念のある外国企業のリストに、中国政府の基幹システムを手掛けるスーパーコンピューター大手を追加すると明らかにした。米国製品の輸出を事実上禁じる。米国は5月に華為技術(ファーウェイ)も禁輸対象に加えるなど中国企業への圧力を強めている。米中ハイテク覇権争いが一段と激しくなりそうだ。
 24日付で「エンティティー・リスト(EL)」に加えるのは、中国政府系のスパコン大手、曙光信息産業のほか、米半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイスAMD)と合弁を組むグループ会社など計5社。対象者に米国から製品を出荷したり、米国製品を他国から再輸出したりする場合は米商務省の許可が必要となり、申請は原則却下される。
 曙光は性能で世界ランキング上位にも入るスパコンを手掛け、主な顧客に中国政府や国有企業を抱える。国民の監視や治安の維持を担う中国政府の基幹システムなどを納入しているとみられる。半導体など米国製品や技術、ソフトウエアを調達できなくなることで、同社の新製品の開発が滞ったり、米AMDとの合弁事業継続が難しくなったりする可能性がある。
 トランプ米政権が米国企業の合弁事業まで対象にして中国の根幹技術に制裁を発動したことで、中国政府は反発を強めそうだ。今回の禁輸措置と貿易問題の直接的な関係は不明だが、月内に大阪で開く米中首脳会談の直前での制裁発動は、中国の習近平(シー・ジンピン)指導部に譲歩を迫る新たな圧力となる。
 トランプ政権は中国のハイテク産業育成策「中国製造2025」を警戒し、ハイテク企業への圧力を強めている。5月に制裁を発動したファーウェイは米国製品の取引を禁じられたため、スマートフォンの販売計画を下方修正するなど経営に大きな影響が及んでいる。
 米商務省は2018年10月に中国の半導体メーカー、福建省晋華集成電路(JHICC)にも禁輸措置を発動した。米国製の製造装置を調達できなくなり、半導体の量産が頓挫した。」

米、中国スパコン大手を禁輸対象に ハイテク圧力強化 (写真=AP) :日本経済新聞

 今回のG20ではトランプ大統領習近平の間の合意はある程度達成されるはずです。しかし、その舌の渇かぬ間に制裁を発動するのは中国にはショックかも知れません。中国のハイテク産業は絶対に成長させないという意思は明確です。今後もエンティティーリストに中国のハイテク企業が次々と登録されていくことでしょう。

 問題は、中国がこうした措置にいつまで堪えられるかということです。特に、中国共産党のプライドがずたぼろにされるなかで、習近平もしくは共産党の常務委員のメンバーがいつまで我慢ができるのでしょうか。実に末恐ろしい話です。