欧州経済崩壊で、ユーロはますます下落する。
アメリカですら経済が減速しているのに、ユーロ圏が減速しないわけにはいきません。
「 欧州連合(EU)のエコノミストは、ドイツとフランスの株価の急落以降、差し迫る経済のメルトダウンを回避しようと躍起になっている。EUの2つの主要な構成国は、両国の経済統計が発表された後、劇的な景気低迷を経験している。エマニュエル・マクロンとアンゲラ・メルケルは、予想を下回る数値に打撃を受け、いわゆる「欧州のエンジン」が実際には、このブロックの減退をもたらすとの懸念を抱いた。
予想を下回るデータにより、ユーロは、米ドルとGBポンドに対して値下がりしたため、フランスとドイツはユーロ圏の成長を引き下げることになった。
今回の統計によれば、2013年初め以来、ユーロ圏では最も弱い成長率であった。
フランスのIHS Markitによると、フランスの民間部門には「停滞する理由」がある。
エコノミストは、最近の抗議行動や激しい暴動でフランスが苦境に陥ったことを非難した。
草の根の「黄色のベスト」運動は、数週間前からマクロロン大統領の政策に抗議し、政府は妥協を余儀なくされた。からの暴動を余儀なくされた。
すでに予定されていた燃料税の引き上げを取り消したフランスの指導者は、2019年に最低賃金の上昇、年金受給者の税制償還、労働者の非課税時間外労働を提案した。
全体のパッケージの費用は、経済学者の見積もりによれば、約150億ユーロとされており、政府の借入によって大部分が調達される見込みだ。
ドイツでは、民間部門の活動は、4年ぶりに低迷しており、中央銀行も今後経済の減速を予測している。
欧州中央銀行(ECB)が巨額の資産購入計画を終えた直後に、この経済ショックが生じたのである。
ECBは、ユーロ圏が通貨危機から十分に回復し、自立することができたと主張していた。
230万ポンド、4年債で、毎月何百万ユーロもの資産を購入するという債券購入プログラムにより、ECBがユーロ圏の現金供給を積み上げてきた。
ECBのマリオ・ドラギ総裁は、EUの成長予測を縮小させ、この発表に続いて現行の金利を維持した。
キャピタル・エコノミックス投資顧問会社のジャック・アレンは、「ユーロ圏の総合PMIの12月の落ち込みは、フランスの急激な落ち込みによって引き起こされた。恐らく黄色いジャケットの抗議デモは深刻な経済効果をもたらしたと思われる。」と語っている。
さらに「しかし、たとえ抗議行動の影響がなくなってフランスのPMIが跳ね上がっても、ユーロ圏経済が減速していることは明白であり、来年より緩やかなペースで成長する見通しだ」と述べた。」
欧州経済が減速している理由を考えると、EU圏内の問題(「黄色いジャケット」)と、米中の経済衝突による中国の需要の減少を挙げることができるでしょう。今回のPMIの突然の下落は、フランスの黄色いジャケット運動によるところが大きいのでしょうが、それが英国などにも広がる兆しがあります。
さらに、経済・安全保障の面でアメリカとの関係が悪化しているのも長期的にはマイナス要因です。例えばファーウェイの問題で、中国に対抗する立場をとれば、中国の不興を買い、ドイツのようにファーウェイを野放しにするのであれば、アメリカのEUに対する反発は一層強まることでしょう。
そこに、ストラスブールで発生したようなテロの問題が重なることになります。Brexitも、農産物の市場が遠ざかるという意味で、EU側から見れば明らかに不利であり、来年はユーロのさらなる下落が予想されます。