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ふるい落とされるフランス

フランスの歩兵はドイツ人の皇太子再撮影 Sommesous1914 を敗北させます

 戦争を前に、外交上のつばぜり合いが激しくなってきました。それが、今回のカルロス・ゴーン逮捕の背景にあるといえるでしょう。

 まずは、こちらの日経新聞の記事です。

「 日産自動車三菱自動車との連合関係の見直しが検討されるフランス自動車大手ルノーについて、パニエルナシェ仏経済・財務副大臣は「株主構成の中での仏政府の位置づけを変えるつもりはない」と述べた。仏政府はルノー株15%を持つ筆頭株主だが、連合関係見直し後も維持する考えを示した。経営への仏政府の影響が続くことになる
 日本経済新聞のインタビューに応じた。3社の連合関係見直しを巡り、仏政府がルノー筆頭株主にとどまる方針を語るのは初めて。パニエルナシェ氏は「仏政府が持つルノー株を売る計画はない。継続的に見直しているが、今の位置づけに満足している」と説明した。
 一部、日産幹部などは仏政府による経営介入の可能性が残ると受け取るとみられる。だが「望まないことを押しつけるつもりは一切ない。これからも気長な、手助けとなる株主でありたい」と懸念の払拭を訴えた。
 3社の経営統合の可能性は「現在の連合はバランスが取れている。統合を押しつけるのは不信感につながり、正しいとは思わない」と慎重な姿勢をみせた。
 3社の会長を務めるカルロス・ゴーン氏は、2022年にルノー最高経営責任者(CEO)を退く考えだ。仏政府は強いリーダーシップで経営を引っ張ってきたゴーン氏が退いた後も強固な3社連合が続くよう、資本関係の見直しも含めて検討するよう求めている。
 仏政府は15年にルノー・日産の経営統合を進めようとした経緯があり、今も一部の日産経営陣には警戒感がある。
 ルノーは日産に43%を出資しており、日産はルノーに15%、三菱に34%を出資している。現在3社は経営の独立を保ちつつ、部品の共有化などで経営を効率化している。
 パニエルナシェ氏は大手IT(情報技術)企業に対するデジタル課税についても触れ「価値が生み出された場所で、課税ができていない」と是正の必要を語った。欧州のデジタル企業は法人税をほかの企業より14ポイント少なく払っているとの統計があるという。
 「日本との議論でこの課題を前進させたい」と意欲をみせた。日本とフランスはそれぞれ19年に20カ国・地域(G20)と主要7カ国(G7)のサミット議長国で、連携に期待した。ただIT大手を抱える米国は難色を示しており、G7やG20での交渉は難航する可能性がある。」

「ルノー筆頭株主を維持」仏政府、3社連合関係見直しで :日本経済新聞

 結局、フランスは日産が欲しかったのでしょう。ルノーが事実上のフランスの国営企業である点には注意が必要です。国営企業の経済への介入を嫌っているのは、実はアメリカというところがまず第一の論点です。

 第二の論点としては欧州軍の問題です。

「トランプ米大統領は9日、第一次大戦終結100年の記念式典に参加するため、パリを訪問した。トランプ氏は同日のツイッターで、フランスのマクロン大統領が提案した「欧州軍」創設構想について、「侮辱的な話だ」と強く批判した。

 トランプ氏は「欧州は、北大西洋条約機構NATO)に公平な分担を支払うことが専決事項だ。今は米国が大いに補助している」と記した。マクロン氏と10日に首脳会談を行う前に、米欧の安全保障をめぐる亀裂を鮮明にした。」

トランプ大統領訪仏 仏大統領の「欧州軍」構想は「侮辱」と批判 - 産経ニュース

 そもそも英国がEUからの離脱を検討し始めた時期は、この欧州軍の話題がでたころと重なります。英国が、軍事までEUに差し出すことが我慢ならなかったのでしょう。大陸国家への不信。それが、Brexitの原点であったはずです。それが、メルケルによる移民導入を契機に、EU離脱につながったのです。

 もう、独仏を中心としたEUはおしまいです。そのことに早めに気がついておくべきでしょう。