対米経済関係で悲観的なドイツ財界
日産の件もそうですが、ここに来てアメリカや日本からヨーロッパ勢がふるい落とされている印象があります。そのことは、ドイツも自覚しているようです。
「ロイター通信が報じたIW経済研究所の調査によると、ドイツ企業の44%は、米国との貿易緊張がさらに高まると予想している。
ドイツの新聞社RNDからの報道によると、貿易関係が悪化しないとしている企業は34%だった。
報道機関はさらに、調査対象企業の41%が、米国と欧州連合(EU)が合意に達する可能性は低いと述べたと報じた。
先週、欧州委員会のチェシリア・マルムストロム委員は、トランプが欧州車に関税を課すならば、欧州が報復するだろうと述べた。
マルムストローム氏は、「その後、我々は激しく打撃を受け、世界貿易機関(WTO)の規則に準拠した対策を迅速にまとめることができる」と述べた。
先週、トランプ大統領は、フランス訪問中に、フランスのワインの関税をやり玉に挙げた。
「トレードでは、フランスは優れたワインを作っているが、米国もそうだ」とトランプ氏はツイートした。「問題は、米国がフランスにワインを販売するのは非常に難しく、大型の関税を課す一方、米国はフランスのワインを簡潔で、非常に小規模な関税を課しているということだ。」
Almost half of German firms expect worsening trade tensions with US: report | TheHill
欧州は全体として、来たるべき紛争から取り残されているという印象が最近は深まっています。トランプ大統領といえば、アメリカの国益しか考慮しないので、従来の同盟国に対しても強硬な要求を持ち出すことでしょう。当然、日本もその対象です。対米FTAも押し切られそうな勢いです。
ただ、極東では、北朝鮮と中国、それに韓国という問題揃いですから、経済問題はうやむやになる可能性もないわけではありません。
しかし、欧州では、ロシアからの圧力にもかかわらず、軍事的に対応ができないNATOが放置されているだけでなく、欧州軍を作ってアメリカから独立しようとする動きは、トランプ大統領を逆ギレさせるだけでしょう。
ドイツも、アメリカに自動車が輸出できなくなればどうするのでしょうか。来年は欧州経済にとっては、かなり暗い年になりそうです。