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トランプ電撃訪朝の意味

トランプvs金正恩 その暗闘・裏側の超真相  未来がわかるアメリカ1%寡頭権力の巨大地殻変動

 あたかも北朝鮮の争奪戦のようです。

トランプ米大統領北朝鮮金正恩キム・ジョンウン)委員長は30日、韓国と北朝鮮軍事境界線がある板門店で約50分間会談した米朝首脳が会うのは2月末のベトナムハノイでの首脳会談以来、3回目。両首脳は膠着状態にある非核化交渉の再開で合意し、トランプ氏は「今後2~3週間以内に実務者協議を開く」との見通しを示した

 トランプ氏は現職の米大統領として初めて北朝鮮に足を踏み入れた。66年前の1953年に朝鮮戦争の休戦協定に署名した板門店で、現在も休戦状態にある北朝鮮の指導者と会談したのは、戦争状態からの転換を示す象徴的な意味がある。

 トランプ氏には2020年の米大統領選をにらみ外交成果をアピールする狙いもある。ただ事務的な積み上げがないままの手法では非核化交渉は進まないとの懸念もある。

 トランプ氏は会談に先立ち、韓国の文在寅ムン・ジェイン)大統領とともに南北を隔てる非武装地帯(DMZ)を視察した。その後に板門店で出迎えた金正恩氏と握手し、2人で南北軍事境界線を越えた。トランプ氏は「素晴らしい瞬間を迎えた。軍事境界線を越えたことは大変光栄だ」と述べた。金正恩氏は「よからぬ過去を清算し未来に向かうことになる」と述べた。

 当初トランプ氏はツイッターで「握手してあいさつする」との意向を示していたが、金正恩氏と板門店の韓国側にある「自由の家」で、本格的な会談に移った。トランプ氏は会談後、記者団に「とても良い会談だった。スピードではなく包括的な合意が重要だ」と非核化交渉を急がない姿勢を改めて示し「対北朝鮮制裁は続く」と述べた。

 金正恩氏は会談で「この場所は南北分断の象徴だ。この場で平和の握手をすることが、今後より良くできることを示すことになる」と米朝関係の改善に意欲を示した。トランプ氏は金正恩氏をホワイトハウスに招待。米メディアによると、金正恩氏もトランプ氏を平壌に招待すると伝えた。米朝首脳会談の前後に文大統領も交え、3首脳が初めて一堂に会する場面もあった。

 トランプ氏によると、実務者協議は米側ではポンペオ国務長官を中心としたチームが準備にあたる。トランプ氏は「今後2~3週間で何ができるかチームが考える。複雑だが、皆が思うほど(困難)ではない」と述べた。文氏は「完全な非核化と恒久的な平和を構築するためのプロセスが峠を1つ越えた」と語った。

 トランプ氏は29日、金正恩氏にDMZでの面会をツイッターで呼びかけた。20カ国・地域首脳会議(G20サミット)出席後の大阪市内での記者会見では「金正恩氏と会うかもしれない。彼らは前向きな反応を示している」と表明していた。

 米朝首脳は18年6月、シンガポールで初めて会談した。2回目のハノイでの会談は非核化の進め方と見返りを巡り対立した末に決裂した。」

米朝首脳、非核化交渉再開へ 板門店で3回目会談 (写真=聯合・共同) :日本経済新聞

 話がどんどん文在寅大統領抜きに進んでいきます。重要なのは、北朝鮮で韓国ではないということがはっきりと示されています。北朝鮮に眠る膨大な地下資源を誰が手にするのか、それが今後の焦点になります。

 これで割を食ったのは、習近平でしょう。わざわざ20カ国サミットの前に北朝鮮を訪問したのに、すっかり影にかすんでしまいました。

 仮に、北朝鮮が核を放棄すれば、北朝鮮は米国の影響下にはいることになります。例えば、ベトナムのような形になるのでしょう。日本からの資金を導入するためには、拉致問題の解決が必要とまではいわれているはずです。

 あとは、北朝鮮の核廃棄に反対する勢力を金正恩が抑えることができるかどうかです。これができれば、朝鮮半島の状況は一変します。在韓米軍も撤退する口実ができます。

 しかし、トランプ大統領の立場からすれば、既に大統領選モードに突入しているので、北朝鮮問題解決という実績が欲しいところなのでしょう。

 そして、トランプ大統領が「決して急がない」とのべているので、実際には現状があと数ヶ月続く、つまり問題の先延ばしというのが、今回の首脳会談の隠された結論と言えるでしょう。

 今後、焦点になるのは、面目を失った中国の対応です。国境線の向こう側にアメリカの友好国が存在しても良いのかという哲学的命題に、習近平は直面せざる得ないでしょう。アメリカの状況にもよりますが、中国の側からすれば、北朝鮮が邪魔という見方も成り立ちます。

 北朝鮮の天然資源は、アメリカを筆頭とする西側国家だけでなく、中国やロシアにとっても垂涎の的です。このまま平和裏に終わることはあり得ないという気がします。