いつまで続く? トランプがアマゾンを叩く5つの理由
トランプのアマゾン叩きが終わりません。
アマゾンが事業を拡大するほどに中小の小売店が廃業を迫られるという現状があります。トランプ大統領はそれを強く問題視しているのです。
今回の騒動がいつもと違うのは投資家の反応です。ニュースの真偽が明白になるまえから、売りが殺到しました。昨年のトランプ氏のツイート時には60億ドルで済んだ時価総額の逸失は今回は約500億ドルにのぼっています。
ここでは、その理由を考えてみましょう。
1.ジェフ・ベゾスが嫌い
もとから、トランプ大統領は、アマゾンのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)を嫌っているといわれてきました。しかも、ベゾスは、トランプ大統領の嫌いなフェイク・メディアの代表格であるワシントン・ポストの社主でもあります。
2.アマゾンが雇用を奪う
実際のところ、アマゾンは雇用を創出しています。全米各地にある配送センターは常に「求人中」の看板が掲げられ、産業に乏しい地方州の雇用の受け皿になっているためです。18年中に候補地を決める「第2本社」についても5万人の雇用創出を約束しており、誘致活動が盛んに行われています。
にもかかわらず、雇用が奪われるとはどういうことなのでしょうか。
トランプ大統領が重視しているのは、アマゾンが生む雇用よりも、アマゾンによって失われる雇用の方が多すぎるということなのです。
アマゾンはAI研究を進めてさらなる自動化を追求しています。ですから、一般の小売に比べればはるかに労働力を必要としないのです。これでは、トイザラスの破綻や地方のショッピングモールの閉鎖で失われる雇用を埋め合わせることができません。アマゾンが栄えれば栄えるほど、雇用がなくなるという悪循環があるのです。
3.アマゾンは税金を払わない
アマゾンが税金を支払わないというのは正確な言い方ではありません。アマゾンは自社による販売収益については税金を払っていますが、同社のサイトに出店する小売業者は州税を納めていない場合があります。
4.アマゾンは郵便制度を悪用している
例えば,シティーグループの分析によれば、アマゾンの配送物1個あたり1.46ドルアメリカ郵便が損をしているという見積もりがあります。アマゾン川は、郵便が十分に利益を得ていると主張していますが、この点の評価は難しいところです。
5.アマゾンが嫌い
それでも、最大の理由を挙げれば、オバマ政権の時に優遇されたIT企業,新興企業が気にくわないのだと思います。
こうしてみると、アマゾンという企業のあり方が、トランプ大統領の政策に対立していることがわかります。したがって、少なくとも数カ月の間は、アマゾン叩き、フェースブック叩きは継続されると考えて良いでしょう。