英国はロシアでのワールドカップに参加しない
ボリス・ジョンソン英外相が次のように宣言しています。
「元スパイの事件とロシアとの関係が明らかにならない限り、普通の方法でロシアでのワールドカップに参加することはできない」というのです。
この元スパイの事件というのは,最近の暗殺事件に関わりがあります。
産経新聞は次のように伝えています。
「ロシアの元情報機関員のセルゲイ・スクリパリ氏(66)が4日、英南部ソールズベリーで体調を崩し、意識不明の重体で見つかった。何らかの有害物質を摂取したことが原因とみられ、英当局が何者かが暗殺を謀った可能性を含め捜査を始めた。英メディアが5日までに伝えた。
ロイター通信によると、英警察当局は66歳の男性と33歳の女性がショッピングセンターのベンチで意識不明で見つかったと明らかにした。捜査当局はロイターに、意識不明になった男性はスクリパリ氏だと認めた。
スクリパリ氏は、ロシア情報機関の軍参謀本部情報総局(GRU)の大佐だったが、2006年に英国側に機密情報を提供したとして有罪判決を受け、10年に米国とロシアのスパイ交換で国外退去となった。(以下略)」
元ロシア情報機関員が重体 英、暗殺未遂含め捜査 - 産経ニュース
ロシアのスパイが暗殺された事例としては、リトビネンコ暗殺事件もありました。この事件では暗殺のためにポロニウムという放射性物質が使われたことでも有名です。
英ロ関係が悪化したきっかけになったのは、このリトビネンコ事件でした。ですから、再び同じ種類の事件をロシアが起こしたとすれば、英ロ関係はさらに悪化することになります。となると、バルト三国などへのロシアの圧力も一層大きくなることが予想されます。
朝鮮半島問題は,今回の首脳会談の提案で少し持ちこたえた印象がありますが、今度はヨーロッパが火種となりそうです。
いずれにせよ、今度のワールドカップは一波乱がありそうです。