FirstHedge 明日の投資情報

投資を搦め手で分析します。

開発が進む中国版ミサイル防衛網

f:id:FirstHedge:20180209150720j:plain

 SM3などを用いたミサイル防衛システムは有名ですが、中国も同様のシステムを開発しています。これが実現すれば、事実上中国側のA2AD戦略は感性に近づくことになるでしょう。東風21Dのような対艦弾道ミサイル保有していると宣言しているので、このまま時間が経てば米軍や日本の自衛隊にとって不利な事態になることは間違いありません。(写真は解放軍報より)

 サウス・チャイナ・モーニング・ポストからです。
 「軍事専門家によれば、中国は艦船用の対ミサイルシステムを開発しており、アジア・太平洋・インド洋においてそれらを展開する予定である。
 北京は月曜日に地上配備型の中距離ミサイル防衛システムの実験に成功したと発表したが、今回の評価はそれに続くものだ。
 中国を弾道ミサイル攻撃から防衛可能な対弾道ミサイルシステムの検証は、アメリカやロシアといった対ミサイル技術を持つ核保有国に追い付くための努力の一環である。中国は、2010年と2013年にも実験を行っている。
 中国は、また、冷戦期の包囲網を打破するために、アジア・太平洋地域での艦船用の対ミサイルシステムを準備している第一列島線とは、中国と世界最大の海洋の間に横たわっている一連の列島で、冷戦以来中国を封じ込める自然の障壁として米国によって使用されていると北京は述べている。
 フェニックス・テレビジョンの軍事評論家、ソン・ジョンピング氏は、「中国の海上ミサイル防衛システムは、海上防衛システムが軍艦のどこにでも設置できるため、領海と海外の利益を守ることを目指している。「最初に対象とするのは、アジア太平洋地域とインド洋での海上権益の防衛である
 中国は、世界的に作戦を展開し、海上の利益を守る外洋艦隊を構築しようとしてきた。専門家は、北京では2030年までに4機の空母戦闘団を就航させる計画だとしており、インド洋やマラッカ海峡を通過する石油輸入量の4分の3が中国向けであるために、北京はシーレーン防衛を促進しようとしているというのである。
 「米国と他の国々が中国に対抗するインド太平洋戦略を踏まえれば、北京はこれらの地域に対抗ミサイルシステムを確実に展開するだろう」と、人民解放軍の第2砲兵部隊の前メンバーであるソン氏は述べた。
 マカオの軍事専門家、アントニー・ウォン・ドン氏は、中国は、超長距離3,500kmのクルーズミサイルを搭載した新世代海上HQ-26アンチミサイルシステムを開発したと語った。このシステムは、国最大の駆逐艦、タイプ055(最大変位13,500トン)に搭載される予定となっている。
 北京に本拠地を置く海軍の専門家、李杰(Li Jie)は、海上ミッドコース迎撃システムは、国際法には該当しない宇宙で弾頭を破壊するように設計されていると述べている。
 北朝鮮の核開発に対する緊張の高まりや、インドのミサイル開発能力に対する懸念が高まっている中で、最新のミサイル防衛テストが実施された。軍事アナリストの周陳明(Zhou Chenming)は、北京は依然として比較的小さな核兵器国であるとのメッセージを送っている、と述べた。
 インドは、1月18日に5,000kmの範囲で、中国本土のほぼどこでも核弾頭を着陸できるAgni-V大陸間弾道ミサイルICBM)の実験を成功させた。
 北朝鮮は11月、米国本土に核弾頭を届かせることができる航続距離13,000kmと見積もられた火星-15型ICBMの打ち上げに成功したと主張した。
 「中国のミッドコース・アンチ・ミサイル・システムは、北朝鮮とインドのミサイルを撃墜するのに十分強力であるが、発砲すればICBMを迎撃できるかどうかは明らかではない」と周は述べた。
 彼は、中国は防御のために防空壕を必要としていると付け加えた。
 "米国は... 6,800核弾頭を保有しているが、中国は数百に過ぎない。そのため防衛のために北朝鮮が反ミサイルシステムを開発する必要がある。」

www.scmp.com

 率直に言えば、アメリカでもミサイル防衛は非常に困難とされています。ですから、そのシステムを作り上げたからといって、実践で機能するということとは話が別になるでしょう。ただ、この種のシステムは持っているだけでも、ブラフとしては有効に機能するので、中国にはますます注意が必要ということになります。