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11月29日の北朝鮮弾道ミサイルの特徴

まず、ロイターの記事をチェックしておきましょう。

 「[ソウル 29日 ロイター] - 北朝鮮は29日、国営メディアを通じ、米国本土全域を攻撃できる新型大陸間弾道ミサイルICBM)「火星15」の発射実験に成功したと発表した。

 北朝鮮は火星15について、7月に2度発射したICBM「火星14」より「技術的特性がはるかに優れている」と説明した。

2カ月半ぶりに発射された今回のミサイルは53分間飛行して最高高度が4475キロメートル、飛行距離が950キロメートルだった。

米国に本部を置くユニオン・オブ・コンサーンド・サイエンティスツは「仮に(これらの数値が)正確で標準軌道上を飛行したのなら、1万3000キロメートルを超える距離を飛行できることになる」と説明した。

この場合、理論上は首都ワシントンとニューヨークを含む米国全土が射程圏内に入る。

北朝鮮の国営メディアによると、7月4日に発射した最初のICBMである火星14は39分間飛行して最高高度は2802キロメートル、飛行距離は933キロメートルだった。

7月28日に発射した火星14は約47分間飛行して最高高度は3724キロメートル、飛行距離は998キロメートル。アナリストらの話では、推計される飛行可能距離は1万キロメートル余りで米西海岸が射程圏内に入るとされた。

北朝鮮金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は「ついに国家核戦力完成という歴史的大業が実現した」と述べた。

だが専門家の間では、どの程度の重量のミサイルを搭載できるかや、米国本土を攻撃できるほどの核弾頭を搭載して飛行できるかどうかは依然としてはっきりしていない、との声も聞かれる。

<場所、時刻>

29日発射されたミサイルは、首都平壌ピョンヤン)の北方約30キロメートルの地点にある平安南道(ピョンアンナムド)平城(ピョンソン)から打ち上げられた。この地点からのミサイル発射は初めて。

これまでのミサイル発射実験は早朝の時間帯に実施されることが多かったが、今回は現地時間午前2時28分(GMT6時17分)ごろに行われた。

発射の場所と時刻は、北朝鮮がミサイルを「どこからでも、いつでも」を発射できる態勢にあると誇示する狙いが反映されているとみられる。これにより他国はミサイル発射を事前に予想することや、発射を妨害することが一段と難しくなる。

米国を拠点とする戦略国際問題研究センター(CSIS)は「今回の実験は真夜中に実施されたという点で異例であり、恐らく米国の弾道ミサイル防衛システムによる迎撃を回避する北朝鮮の意向が反映されたのだろう」と指摘した。

7月の2回のミサイル実験は平安北道と慈江道から発射されていた。」

アングル:北朝鮮の新型ICBM、従来型とどう違うか | ロイター

また、NHKの報道では次のようになっています。

「軍事情勢に詳しい未来工学研究所の小泉悠特別研究員はNHKのインタビューに対し、高度や飛行時間などからアメリカ全土を射程におさめた可能性があるとの見方を示しました。

この中で小泉氏は、今回発射された弾道ミサイルの高度や飛行距離などから、「搭載している弾頭の重量がこれまでと変わらない場合、アメリカ全土を射程に収めるだけのエンジンができたと見られる」と述べました。

そのうえで、「火星15号という新型のミサイルが1発で成功し、実戦配備できるということはない。少なくとも同じタイプのものを何発か撃って修正したうえで配備となる。それまでに技術的にはまだまだたくさんのミサイル発射と核実験が必要だ」として、今後も北朝鮮によるミサイルの発射や核実験が続くとの見方を示しました。

さらに、小泉氏は「北朝鮮は早くミサイルを開発しないとキム・ジョンウン金正恩)体制そのものがつぶされてしまうという危機感のもとでやっている」と述べて、想像以上のペースでミサイル開発が進む可能性があると指摘しました。

また、北朝鮮が政府声明で超大型の核弾頭の装着が可能になったと発表したことについては、「これまで弾頭の小型化をアピールしてきたが、大きな弾頭を積めると言ってきたことは、原爆ではなく水爆を積めるところにまで達したと示す狙いがある」と述べ、より破壊力の大きい兵器を開発できたと示す狙いがあると分析しました。」

  これで、北朝鮮の核開発計画は9割程度は完成したといっても良いのではないでしょうか。

 ただ今後のことを考えれば、最後まで北朝鮮の味方であったロシアもいつまでも良い顔は出来ないでしょう。とすると、露西亜北朝鮮の間で何らかの動きがあれば、北朝鮮の内政にも直接影響すると考えられます。

 米軍が先制攻撃を仕掛ける可能性はほとんどありません。とはいえ、北朝鮮と中国国境に設置された橋を、中国の同意を得た上で、ピンポイント爆撃するという可能性は残されているでしょう。

 北朝鮮が先制攻撃しても、ゲームは終わりです。ですから、北朝鮮が詰みという状況は全く変わらないと思います。