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愚かな中国海軍

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まずは、産経新聞から紹介します。(写真は解放軍報より)

「政府は12日、10~11日に尖閣諸島沖縄県石垣市)周辺の接続水域を潜没航行した潜水艦について、中国海軍所属であることを確認したと発表した。海上自衛隊護衛艦が追尾していた潜水艦が12日、東シナ海の公海上で海面に浮上した際に中国国旗を掲げた。潜水艦が護衛艦を挑発する意図があった可能性もある。

 これを受け、外務省の杉山晋輔事務次官は12日、程永華駐日大使に電話で「新たな形での一方的な現状変更で、事態の重大なエスカレーションだ」と抗議した。杉山氏は11日も程氏を外務省に呼んで抗議しており、2日連続の抗議は異例だ。

 政府は11日の時点で潜水艦の国籍を公表していなかった。自衛隊は通常、潜水艦のスクリュー音などで国籍を特定するが、防衛省は「情報収集能力が特定される」として公表を見送っていた。

 しかし、海上自衛隊の護衛艦「おおなみ」と「おおよど」は、潜水艦が11日に接続水域を出た後も追跡。12日午後になって尖閣諸島北西の公海上で潜水艦が浮上した際に公然と国旗を掲げたため、防衛省は公表に踏み切った。」

尖閣接続水域の潜没潜水艦は中国籍 政府が正式確認、駐日大使に抗議 海自が追尾、中国旗掲げる - 産経ニュース

このニュースから、中国海軍の質の低さが透けて見えます。

  まず第1に、潜水艦の航路がほとんど自衛隊に筒抜けであったことです。1月12日の朝刊で各紙が伝えているように、尖閣諸島に近づく人民解放軍海軍の潜水艦を確実に追尾していたと考えられます。そして水上艦線の動きと合わせて、すべて見られていたわけです。

 これは、中国の潜水艦は日本の自衛隊に必ず見つかることを全世界に晒したことになります。これは、仮の話ですが、フィリピンなり,ベトナムなり,インドなりに潜水艦を探知する方法を伝授すれば、それだけで中国海軍の潜水艦は身動きがとれなくなります。

 今後数年間で中国との緊張は高まると考えられますが、日本の海上自衛隊に見つからないだけの潜水艦はまだ完成していないということになります。これで、中国は自国の空母を守れるのでしょうか(笑)。

 第2に、自ら進んで潜水艦の国籍を明らかにしたことです。仮に浮上したとしても、国旗を晒して国籍を明確にしたことです。たとえ、中国に所属する潜水艦であることがバレバレであったとしても、自ら国籍(そしておそらくはそのマーキング)を晒す必要はありませんでした。むしろ、再び日本の外務省の抗議を招いたのですから、つくづく愚かな艦長であったと言えるでしょう。

 ただ、艦長の立場に立てば、中国国旗を提示したくなる気持ちもわかります。もし、国籍を明らかにしなければ、国籍不明の艦船として攻撃を受ける可能性があると艦長は考えたはずです。そのぐらい精神的に追い詰められていたとも言えるでしょう。

 しかし、潜水艦乗りであれば,そうした危険はつきもののはずです。それだけの覚悟がないまま、尖閣諸島に出向くというのは自殺行為でしかあり得ません。やはり、中国はいつまでたっても前近代的な軍のままなのでしょう。

 いくら新兵器を積み重ねようと、こうしたメンタルな部分の弱さは克服できるものではありません。米中が軍事的に衝突しても、すでに結論は出ているように感じます。