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急速なドル安! 中国がアメリカに経済戦争を開始

 タイミングとしては、フランスのマクロン大統領が中国を訪問し、エアバスの相当規模の注文を取り付けた直後で、中国としてはアメリカを牽制するための絶好のタイミングであったと言わざるを得ません。
 北朝鮮問題が、冬季オリンピックで後継に退いている一方で、今度は中国がアメリカを牽制しているという図式です。

 ブルームバーグからです。
 「水曜日、中国は債券投資家たちをいらいらさせることになった。トレーダー達は、彼らが恐れてきた30年にわたるブル市場の結末を受け入れたためだ。
 情報筋によると、国家の外貨準備を検討している北京当局はアメリカ国債の購入を遅らせるか停止させることを提案した。このニュースにベンチマーク債券は当初の利益をはきだすことになった。10年債の金利が僅か5日間で急上昇したのである。
 中国の3.1兆ドルの外貨準備高は世界最大である。しかし、この提案が採用されたかどうかは明らかではない。米国債市場は、他のアセットと比較すれば、魅力を失っている。そして、アメリカとの貿易摩擦アメリカ国債を停止する理由となったのかも知れないと北京当局は考えたのかも知れない、と公に議論することが許されない情報提供者は語った。中国の外貨管理部門はこの問題に関してファックスでの質問には答えていない。
 「マーケットは既に米国債の消化不良に対応していたのに、そこに中国が米国債の購入を減らすというヘッドラインがさらに債券価格を押し下げることになった」と語るのはコメルツバンクAGのストラテジスト、マイケル・ライスターである。「今日のヘッドラインは、グローバルな金融緩和の終了が先進国の金利に加わっていた圧力の引き金を引くことになるという懸念を白日の下にさらしたんだ
 中国当局は、貿易摩擦がなぜ米国債購入量の減少につながるのかを説明していない。しかし、米国債保有する海外の投資家はこれまでにも何度か地政学的なやりとりを経験してきた。この米国債購入の再考という戦略は、日常的な国債の購入や販売には関わりがないと情報筋は述べている。中国当局は、米国債購入の削減を決定するときには、中国政府は、米中の貿易摩擦を含む政治的展開とならんで、アメリカ国債の需給動向を注視するべきだと提案している。(後略)」

www.bloomberg.com

 結局の所、中国はアメリカの暴露本騒動を生暖かく見守っており、マクロン大統領が訪中したタイミングを狙って、アメリカの国際市場を崩しにかかったということでしょう。
 しかし、アメリカから見れば、ますます対中姿勢が強硬になることでしょう。表面上は穏やかでも、激怒している議員や投資家、それに産業界の大物も多いことでしょう。
 スティーブ・バノンは、実質上はじき出されてしまいましたが、今年の中間選挙では中国にどう対応するかが隠れたテーマになることは間違いありません。
 その一方で買われているのがユーロですが、ユーロは大丈夫なのでしょうか。この点に関しては非常に疑問です。万が一大規模なテロが起きれば、ユーロはすぐに下落すると考えられます。