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九両のM1A1エイブラムス戦車がシーア派民兵の手に渡る

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 現在はイラク正規軍に返還されているようですが、イラクに支援された民兵組織がエイブラムスを操っていたというのはショッキングな話です。

  「対イスラム国戦の混乱期に、イラクに支給されたM1A1エイブラムス戦車を含む軍の装備が、イラクに支持された民兵組織に奪取されたことを水曜日に国防総省が認めた。
 国防総省の監察官の四半期ごとの報告書によれば、軍用車両の一部がイラクの人民動員軍の手に渡っており、この人民動員軍は、イラク政府によって公認されているイランに関わりがあるシーア派民兵組織であることを国務省が認めている。
 ペンタゴンのスポークスマンのエリック・パオンがミリタリー・タイムズ紙に国防総省はこれらの車両を人民動員軍には提供していないと語っている。
 「しかし、我々はMIA1エイブラムス戦車を含む米国製の兵器が人民動員軍の手に渡っている。これらの装備はその後対イスラム国戦で用いられた」とパオンは語っている。
 さらに、「これらの戦車は全てイラク治安部隊に最近返還された」と彼は付け加えた。
 国防総省の監察官の報告書によれば、国務省が「イラクとの販売協定に従ってアメリカから配備された装備を取り戻すようにイラク政府に圧力をかけた」とのことである。
 パオンは、また、ゼネラルダイナミックス社が、イラク治安部隊の戦車のメンテナンスを中断しているという主張を否定した。「イラク治安部隊のエイブラムスの整備計画は現在も行われている」
 当局が戦車の所在を正式に認めたために、キルクーククルド人ペシュメルガから10月に取り戻す戦いで西側の技術が中心的な役割を果たしたという報告の信憑性が増すことになった。
 イラクの輸送トラックの一群がキルクークに到着する際に、エイブラムス戦車が米国製のファンビーやトラックに乗ったイランの支援を受けた人民動員軍を先導していたというペシュメルガでのアメリカ人ボランティアベン・アレクサンダーの証言がある。
 「ペシュメルガ武装ではエイブラムスを撃退できない。ペシュメルガにはIEDもVBIEDもない。だから、彼らはエイブラムスを持っていないことを呪ったんだ」とアレクサンダーは戦闘後に語っている。」

Nine Abrams tanks fell into the hands of Iranian-backed militias during anti-ISIS fight

 実際には、イラク政府から、イラン西苑を受けたシーア派民兵組織に依頼があり、その過程で、イラク治安部隊のエイブラムスが貸与されたというのが正解なのでしょう。
 それにしても、シーア派民兵が米国製の武器を用いることに問題はないのでしょうか。むしろ、そこまでしてアメリカはクルド人キルクークから撤退させたかったという点がショックです。
 対イスラム国戦の時には,アメリカは相当程度クルド人ペシュメルガに依存していましたから、今後は問題がさらに複雑になることでしょう。