晴れてインドも同盟国
いよいよこれでインドも米国の同盟国ですよ。
インドにはインドなりの考え方があって、中国に対抗したいという希望と、米中の衝突には巻き込まれたくないという希望も持っているのです。しかし、実効支配線を巡る中国との紛争の勃発によってインドはもはや第三者として傍観するという選択肢はなくなってしまいました。これはインド外交にとっては一大転換ですね。
「 インドは強力な中国軍との差を縮めようとしているが、ミサイルや無人機の精度を高めるための衛星データへのアクセスを提供する米国との合意に近づいている、とインド政府・業界関係者は述べた。
両国は来週、マイク・ポンペオ米国務長官とマーク・エスパー国防長官がニューデリーを訪問し、インドのスブラマニャム・ジャイシャンカル、ラージナート・シン両氏と会談する中で、この協定を発表すると予想されている。
米国は今週、台湾への3つの兵器システムの販売を承認して北京から反感を買っているが、中国の地域的影響力の増大のバランスを取るために、インドとの安全保障上の関係を強化することを推進している。
米国企業は2007年以来、インドに210億ドル以上の武器を販売しており、ワシントンはインド政府に対し、機密情報の共有や暗号化された通信を可能にする協定に署名するよう求めている。
ナレンドラ・モディ首相の内閣は水曜日に地理空間協力に関する基本的な交流・協力協定の最終草案を議論したとインド政府筋は述べた。
協定により、インドは様々な地形、海事、航空データへのアクセスが可能になると、防衛産業関係者は語った。
また、米国が提供する航空機の高度な航行補助装置やアビオニクスをインドに提供することも可能になるだろう、と防衛産業筋は述べた。
「これは、米国が相互運用性を高めるために多くのパートナーと締結してきた基本的な協定である」と同筋は語った。
インドは伝統的に米国主導の安全保障同盟に引き込まれ、中国と敵対することに躊躇してきた。しかし、緊張はこの夏、中国との間で劇的に上昇し、西部ヒマラヤの国境部隊間の衝突に噴出した。
今週、ニューデリーは来月に予定されている日米両国の海軍演習にオーストラリアを招待することで合意したが、このような集団行動を中国に向けられたものと見なす中国の怒りを買うことになるという懸念は無視した。
ヘリテージ財団の南アジア専門家であるジェフ・スミス氏は、この協定案について次のように述べている。「この二つの動きは、二つの民主主義国家の間に新たなレベルの戦略的収束と、インドの『非同盟』の過去からの脱却を示唆している」。
米印間ではすでに、特にこの地域での中国の活動について、強固な情報共有が行われていると、第二の政府関係者は述べた。
これには、インド国境へのPLAの配備に関する情報や、北京と他の国との間で摩擦を起こしている深海漁船団を含む中国の海洋活動に関する情報も含まれている。
「彼らは大量のデータを共有している 」と役人は言った。」
India, U.S. set for military pact on satellite data during Pompeo visit | Reuters
衛星情報やアビオニクスまで提供すると言うことは、米国製の軍用機がインドに輸出される道が開かれたと言えるでしょう。
外交という面から言えば、インドが非同盟政策を放棄したというのが印象深いですね。冷戦期には非同盟を旗印にソビエト・ロシアとは非常に親しい関係にありました。ですから、この一連の流れはインドと中国との関係だけでなく、ロシアの関係にも反映すると考えられます。