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核戦争の予感

トータル・リコール (字幕版)

 ロシアが開発した新兵器の存在を前提にすれば、いきなりステーキならぬいきなり核戦争ということになるかもしれません。

 「 米国とロシアは核軍縮を巡る高官協議を今月22日にウィーンで開く。米国務省当局者1人が明らかにした。トランプ政権は米、ロシア、中国の3カ国の核戦力を制限する広範な交渉に中国の参加を促すためロシア政府に協力を得ようとしている
 同当局者は、ロシアが3カ国間の軍備管理を約束しこれまで反対の立場を取ってきた中国を交渉の席に着かせることに協力する場合、来年2月に期限切れとなる米ロ間の新戦略兵器削減条約(新START)の延長に米国が応じる可能性を否定しなかった。
 匿名を条件に語った同当局者によると、米政府はウィーンでの協議に中国を招待したが、中国の参加は前提条件ではないという。」

米ロ、核軍縮で今月22日にウィーンで高官協議-国務省当局者 - Bloomberg

 というわけで、現在米ロの間で核戦力削減交渉が開始されたところです。それは来年2月に期限切れになる戦略兵器削減条約(新START)を延長させるためです。アメリカとしてはこの枠組みに中国を取り込みたいところです。そのために、プーチンに中国の参加を働きかけてもらうという隠れた目的があったのですが、中国側は、こうした核軍縮交渉のメリットを知らないようです。まあ、中国にはいざとなったら核兵器を使うという意欲があるのでしょう。

 ただ困ったことに、プーチンが新たなカードを切ってきたことです。

「 ロシアのウラジミールプーチン大統領は日曜日、ロシア海軍極超音速核攻撃兵器と水中核無人機で武装すると発表した。国防省は最終段階のテスト段階にあると語った。
 軍備競争を望んでいないとプーチン大統領はしばしば、ロシアの新世代の核兵器について、他の追随を許さず、世界のほぼどこでも攻撃できると語っている。一部の西側の専門家は、彼らがどれだけ進んでいるかに疑問を呈している。
 いくつかはまだ配備されていない武器の中には、潜水艦によって運ばれるように設計されたポセイドン水中核無人機、および水上船に配備できるTrirkon(ジルコン)極超音速巡航ミサイルを含む。
 極超音速ミサイルの速度、機動性、高度の組み合わせは、音速の5倍を超える速度で移動できるため、追跡と傍受が困難になる
 ロシアの最高の船、原子力潜水艦、海軍航空を紹介する毎年恒例の海軍パレードでサンクトペテルブルクで語ったプーチン大統領は、海軍の能力は成長しており、今年は40隻の新造船を獲得すると語った。
 彼はそれが新しい極超音速兵器をいつ受領するかは特定しなかったが、その日が近づいていることを示唆した。
 「極超音速攻撃システムや水中無人偵察機など、世界に類を見ない高度なデジタルテクノロジーの広範な展開は、艦隊に独自の利点をもたらし、戦闘能力を向上させるだろう」とプーチン大統領は語った。
 国防省はロシアの報道機関を通じて発表された別の声明で、ポセイドン無人偵察機を搭載できる最初の潜水艦であるベルゴロドのテストが進行中であり、兵器システムのテストはほぼ完了していると語った。
 「海軍用の近代的な兵器システムを作成するための作業は成功裏に完了している」と国防相は発表している。
 昨年プーチン大統領は、米国がヨーロッパに中距離核兵器を配備するように動いた場合、米国領海の外に潜む可能性のある極超音速ミサイルを船や潜水艦に配備すると脅迫した。
 ワシントンはヨーロッパにそのようなミサイルを配備していないが、モスクワはそれが心配しているかもしれない。」

Putin says Russian Navy to get hypersonic nuclear strike weapons - Reuters

 この記事をよく読むと、中距離核兵器のヨーロッパへの配備を回避するために、超音速ミサイルや、無人の水中核兵器を使用するということのようです。同じく、中国、北朝鮮の核に対抗するには日本にも中距離核戦力の配備が必要になるはずですが、日本ではほとんど議論されていませんね。

 いずれにせよ、ロシア製新兵器というカードは、今回の新STARTの交渉が困難なものになりそうだということを暗示しています。すぐに起きるわけではないにせよ、今後数年の間に核兵器が実戦で使用される確率は高くなったと判断せざる得ません。