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球磨川を氾濫させたのは樺島熊本知事だ。

くまモン知事 東大教授から熊本県知事に転身した蒲島郁夫の決断力

 今後樺島知事はどうするのでしょうか。切腹ものだと思いますが。

熊本県のHPを見てみました。
そもそも、球磨川の支流である川辺川ダムに関してはダム計画を熊本県国交省の主張を遮ってなくしてしまったという事実があります。
今回最大の被害地となった人吉市に関して、次のような記述が見受けられました。

<1>ダム反対派の主張

1。川辺川ダムこそが軟岩の露出を引き起こす
川辺川ダムには東京ドームの1/5強という膨大な量の土砂が毎年たまることになっている。ダムができれば、この膨大な土砂の供給が遮断されるので、人吉地区の河床でも土砂の供給と流出のバランスが崩れて、軟岩の上の砂礫層が流出し、軟岩が露出するようになることは必至である。

2. 河床掘削による軟岩露出の問題は回避が可能
他の水系でも、軟岩の上に砂礫層が載った河床は少なからずあるから、球磨川のみ、河床掘削による軟岩露出を問題視するのは明らかに意図的である。軟岩露出で環境上の問題が生じるというならば、軟岩の上の砂礫を一時保管しておいて、河床の掘削震度を大きめにし、掘削終了後に砂礫を元に戻す工法を取れば解決することができる。また、前回の委員会では軟岩が露出すると、堤防の基礎部が崩れる危険があるという意見があったが、多摩川等ではその対策として床固めで基礎部の補強を行ってきており、問題にすべきことではない。

3.八代地区は洪水痕跡水位から見て、 9,000m3/秒の流下が可能
2004年8月洪水と2005年9月洪水の球磨川の痕跡水位から見て、八代地区では9,000m3/秒(横石地点)の流下が可能である。下流部の 現況流下能力を8,100m3/秒とする、国交省の不等流計算は流下能力を過小評価している。

4.ダム依存度が異常に高い治水計画の危険性
球磨川では全国の水系でも例のない、ダム依存度が異常に高い治水計画が作られようとしている。川辺川ダムがこけたら、すべてがダメになるような歪な治水計画を策定してはならない。

<2>ダム推進派の反論
1.引堤方式 ・・・「説明資料4-2 P5,6 参照」
上流の人吉市街地区間において大規模な引き堤を実施した場合には、人吉市中心市街地を含む多数の家屋移転が必要であり、社会経済的な影響が大きい
(基本高水ピーク流量7,000m3/sを既設の市房ダムで洪水調節した 2 人吉の流下能力の大幅増加は可能後の流量6,800m3/sを安全に流すことができるよう引堤を行った場合 ① 川辺川ダムこそが軟岩の露出を引き起こすには1,650戸の家屋移転を伴う。)

2.堤防嵩上げ方式 ・・・「説明資料4-2 P7,8 参照」
堤防の嵩上げについては、超過洪水等が発生し氾濫した場合に、より氾濫区域が拡大する等、災害のポテンシャルを増大させる
険があるという意見があったが、多摩川等ではその対策として床固め・堤防の嵩上げについては、橋梁のみならずその取り付け道路の改築及びその周辺家屋の移転等、人吉市街地部の再編が必要であり社会的影響が大きい。

3.河床掘削方式 ・・・「説明資料4-2 P9 ~ 15 参照」
上流人吉市街地区間における計画河道流量については、住民討論集会においてダム反対側は河道を掘削することにより5,400m3/s まで流下可能と主張している。
人吉市街地区間付近においては、人吉層と呼ばれる軟岩の上に薄い砂礫層が堆積しており、掘削により軟岩を露出させた場合には、上流において岩河床となっている明廿橋付近と同様に生物の生育・生息環境が悪化するとともに、軟岩が洗掘され護岸が倒壊する恐れがあるなど、環境面や安全面においても問題がある
・人吉地点において4,500m3/sを流下させることができるよう人吉市街地区間を河道掘削した場合には、軟岩の露出面積が大幅に増大する。

https://www.pref.kumamoto.jp/common/UploadFileOutput.ashx?c_id=3&id=4567&sub_id=1&flid=4&dan_id=1

これを読めばよくわかりますが、樺島県知事が何としてもダムを造りたくなかったことは、ダム依存度が異常に高い治水計画の危険性の項目を見ればわかります。それにたいして、ダム反対派から提示されたであろう引堤方式、堤防かさ上げ方式、河床掘削方式が坦々と否定されています。個人的には国交省の言い分が筋が通っているように見えるのですが、知事にとっては筋が通っているようには見えなかったのでしょう。

肝心の樺島知事ですが、非常に興味深い経歴をお持ちです。
最終の経歴は東大法学部教授ですが、それ以前は筑波大、アメリカで修士号、博士号を取られたようです。2008年に東大を退職後、熊本県の知事に立候補なさいました。基本的に自民党の支持を受けているようなので、このケースに関しては「民主党だからだめだった」という言い訳は聞かないことになります。確かに最終的に球磨川の支流である川辺川でのダム計画を平成21年9月に撤回したのは、前原誠司国土交通相ですが、それ以前に、蒲島郁夫知事は平成20年9月、計画反対を表明していたのですから、決して民主党を擁護するわけではありませんが、これを民主党のせいにすることは少し無理があると思います。むしろ前原元国交相はムードに流されやすい人だったと言いうると思います。地元の県知事が反対しているプロジェクトを進めることが出来なかったという事でしょう。
 今回の熊本水害は多くのことが考えさせられました。これからは知事が県民を殺す時代に入ったという事です。例えば八ッ場ダム石原慎太郎東京都知事が建設に向けて働きかけていたはずです。この結果を見れば、樺島知事の先見のなさは明らかですね。

首長の軽率な判断で今回多くの方がなくなられました。このような例をこれ以上出すべきではありません。