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さすがに上昇した原油価格

原油暴落の謎を解く (文春新書)

今回の上昇は政治的動機があります。

 「 昨日の大部分が急落した後、サウジアラビアが世界中の顧客の原油価格を引き上げることによりエネルギー市場の回復を後押しするために介入した後、ブレントは木曜日の朝に急騰しました。サウジアラムコは、6月に出荷するほとんどのグレードの価格を引き上げました。
 ブルームバーグが見た価格リストによると、アラムコはアジアのバイヤーへの旗艦アラブライト原油の公式販売価格を1バレルあたり1.40ドル引き上げ、中東のベンチマークを5.90ドル引き下げました。7人のトレーダーと精製業者のブルームバーグ調査の中央値によると、同社は公式価格を1バレル2.50ドル引き、​​9.80ドルの割引にすると予想されていました。アラムコはアジア向けの価格を引き上げることで、最大の地域市場で需要が回復し始めていることも示しています。同社は、世界最大の石油消費地域の価格引き下げを3か月連続で逆転させています。
 サウジアラビアは、3月の初めに前例のない価格戦争を開始し、市場を激減させました。現在、原油価格の回復を支援するために「何でもする」と電報を送っています。王国は、特にロシアとロシアの原油の主な市場であるヨーロッパと地中海の割引を狭めました。これは、先月、リヤドとモスクワがOPEC +アライアンスを通じて再び協力し、価格戦争を終わらせることで合意した後のクレムリンへの合図のようです。
 世界最大の輸出国も供給の引き締めと価格の強化を目指すグローバル協定の一環として生産を削減しているため、価格の引き上げが発生します。ブレントは7%も上昇し、2バレル/ドル以上上昇し、最後に31.60ドルで取引されていました。」

Oil Surges After Saudis Slash Price Discounts In Bid To Prop Up Market | Zero Hedge

 このまま原油価格が下がり続ければヤバイと言うことで、サウジが米国に協力した形になっています。とはいえ、実需がなければ、価格を上げようもないので、中国を中心とする需要がある程度復活していると判断することができます。WTIのマイナス価格といった奇跡的な出来事は当分なさそうです。