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スペイン風邪の流行の教訓 このままでは日本がつぶれてしまう

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 今回の安倍首相の緊急事態宣言の延長には強い違和感を感じています。その第一の理由は、コロナウィルスとの戦いは始まったばかりなのに、不必要に国民に負担を強いているというものです。それは、スペイン風邪の経緯から明らかでしょう。

  スペイン風邪の被害は次のようなものでした。

 「第1回目の流行による死亡者数は,1918年10月より顕著に増加をはじめ,同年11月には男子21,830名,女子22,503名,合計44,333名のピークを示した後,同年12月,1919年1月と2か月続けて減少したが,2月には男子5,257名,女子5,146名,合計10,403名と一時増加し,その後順調に減少した.第2回目の流行によるそれは,1919年12月より増加を開始し,1920年1月に男子19,835名,女子19,727名,合計39,562名とピークを示した後順調に減少した.人口動態統計では,見かけ上1919年のスペインかぜの流行は大きくなかったとの印象を受けるが,第1回目では死亡のピークが1918年11月にあったのに対し,第2回目では1920年1月へと,インフルエンザの流行時期が微妙にずれたための結果である.

 大正11年3月30日に内務省衛生局より発行された「流行性感冒」6)には,スペインかぜによる患者数が報告されている(表2).これによると1918年8月から1919年7月までの第1回目の流行では,患者数21,168,398名,死亡者数257,363名,対患者死亡率1.22%,1919年8月から1920年7月までの第2回目の流行では,患者数2,412,097名,死亡者数127,666名,対患者死亡率5.29%となっている.1918年12月31日現在の日本の総人口は56,667,328名(日本帝国人口静態統計, 1919)であるから,第1回目の流行では,全国民の37.3%がスペインかぜに罹患したことになる.

 第2回目の対患者死亡率が第1回目のそれと比して大幅に大きくなっている点について,「流行性感冒」6)では「患者數ハ前流行ニ比シ約其ノ十分ノ一ニ過キサルモ其病性ハ遙ニ猛烈ニシテ患者ニ對スル死亡率非常ニ高ク三、四月ノ如キハ一〇%以上ニ上リ全流行ヲ通シテ平均五・二九%ニシテ前回ノ約四倍半ニ當レリ」や「流行ノ當初ニ於テハ患者多發スルモ死亡率少ク即チ概シテ病性良ナルモ、流行ノ週末ニ近ツキ又ハ次回ノ流行ニ於テハ患者數少キモ死亡率著シク多ク、之ヲ箇々ノ患者ニ關シ観察スルモ肺炎等ノ危険ナル合併症ハ後期ニ於テ之ヲ來スモノ多キカ如シ」との分析がされている.2004/2005年におけるインフルエンザの流行において,流行の初期と晩期とでは原因ウイルスが微妙に異なっていた.このように,流行時期によりウイルスが変異することが往々にして観測される.スペインかぜ流行の際にも原因ウイルスが変異し,その結果として死亡率が大幅に増加したものと考えることができる.

 第1回目の流行においてはインフルエンザの流行が一旦終息したかに見えた後,その規模は小さいが流行が再燃した.それに対し,第2回目においては,その様な現象は見られなかった.近年においても,再燃が見られるシーズンと再燃のないシーズンがある.再燃が起こったシーズンをみると,流行の初期の段階ではA香港型が流行し,後半においてB型が流行した場合や,前半と後半において型は同じであるがウイルスが微妙に変化している場合などがある.スペインかぜ流行当時は,これがウイルス性疾患であるということが明らかになってはおらず,ましてやウイルスの変異を検出確認する手段もなかった.今後のインフルエンザ対策を企画立案する際には,「再燃」について十分配慮していくとともに,インフルエンザウイルスの抗原性を経時的に観測していき,ウイルスの変異にすばやく対処することがぜひとも必要である.ウイルス変異を早期に検出できれば,新型インフルエンザの流行を未然に防ぐことも可能になるものと考える.」

東京都健康安全研究センター » 日本におけるスペインかぜの精密分析(インフルエンザ スペイン風邪 スパニッシュ・インフルエンザ 流行性感冒 分析 日本):(東京都健康安全研究センター)

このように、スペイン風邪の場合でも第二波がやってきているのです。しかも、第二波の方が死亡率が高いのです。今回のコロナウィルスの場合も動揺ではないでしょうか。第二波がくるという警告は既になされています。それが現在以上の致死率に至るのではないかとはワーストケースシナリオとして頭の片隅においれおくひつようがあります。

 しかるに、現在の安倍政権は最初から全力の対策を取ってしまっています。これではコロナウィルスではなく、その対策のために失業などで多くの人命が失われることになるでしょう。そして、第二波がやってきた時には、現在のような体制はとれないでしょう。つまり第二波で厖大な死者が出る可能性があります。

じっさい、米国政府も第二派は来ると想定しています。

「 米国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長は30日までに、新型コロナウイルスの「第2波」が年内に起きる可能性について、「個人的にはほぼ確信している」との考えを示した。
 ワシントンでの経済関連会合にビデオ会議システム「ズーム」を通じて参加し、第2波到来に関する質問に答えた。「私の考えではウイルスが戻ってくるのは不可避」と表明した。
 新型コロナは世界規模で拡散し、アフリカ大陸南部の一部でも感染例を目撃し始めていると指摘し、「地球からは消えないだろう」と述べた。
 その上で、「今年中にまた来るとするのならどう対処するのかが我々の運命を決める」と強調。「検討されている対応策が実行されるのなら十分にうまくしのげるだろう」としながらも、「そうでないのなら不快な秋や冬になる恐れがある」と警告した。」

CNN.co.jp : 感染第2波の到来を「ほぼ確信」、米対策チーム責任者

 ですから、今から全国的なロックダウンを行えば、第二派が来た時には対応する余力が失われてしまっていると予想されます。どうしてこんなことになってしまったのでしょうか。それもこれも、大阪の吉村知事と、東京の小池知事の人気取りともとられかねない過激な警告のお陰です。安倍首相も、それに動かされたのです。こんなことを言い出した吉村知事の責任は重いと考えます。