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台湾の奇跡

CREA 2020年5月号 (おいしい、台湾。)

日本では新型コロナの患者がどんどん増加していますが、台湾では増加していません。これをどう見るべきか。

 「中央感染症指揮センターは17日午後の記者会見で、台湾で新たに確認された新型コロナウイルスの感染者はいなかったと発表した。新規感染がゼロとなるのは2日連続で、今週3度目。台湾内の感染確認は395人に留まっている。

台湾の新規感染数は今月7日以降、毎日一桁台で推移しており、14日には3月9日以来36日ぶりにゼロとなった。15日は2人確認されたが、16日には再び0人を記録した。」

台湾の新規感染、2日連続で「ゼロ」 新型コロナウイルス | 社会 | 中央社フォーカス台湾

これだけを見れば、台湾は封じ込めたと言えるでしょう。日本も患者数は増えているものの米国やイタリアフランスのように死者は出していません。このことを考える上で重要なニュースが下です。

「 米カリフォルニア州シリコンバレー(Silicon Valley)の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の実際の感染者数は、公式集計の少なくとも50倍に上るとの予備調査結果が明らかになった
 米スタンフォード大学Stanford University)の研究者らはフェイスブックFacebook)を使用して、サンタクララ(Santa Clara)郡からボランティア3300人を募集。住民から採取した血液サンプルでウイルス抗体を検査した。その結果、全人口の2.5%から4.1%が感染していることが推定されるという。これは確認された感染者数の50倍から85倍に当たる。
 17日にウェブサイト上に掲載された査読前の論文のプレプリント版で著者らは「われわれのデータが示唆しているのは、サンタクララ郡では(調査終了の3日前の)4月1日までに、4万8000人から8万1000人が感染していたということだ。同郡で4月1日時点に陽性と確認された感染者数は、956人だった」と指摘している。
 これによると、実際の致死率は0.2%未満となる。
 この研究の制約は、ヒスパニック系住民が多数を占める地域において白人女性が不釣り合いな比率を占めたことにあったため、調査チームは元のデータを調整して、地元の人口構成に対応させる必要があった。
 血清学的検査として知られているこの検査では、皮膚プリックによって血液サンプルを採取。この検査がマーケットに投入されたのはごく最近にすぎない。
 いわゆる血清学的調査は、新型コロナウイルス感染症の実際の拡大規模と、今後感染する可能性のある人々の数を明らかにすべく、米国および世界各地でこれまでよりはるかに大きな規模で開始されている。」

米シリコンバレー、実際のコロナ感染者数は公式発表の50倍超 研究 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News

とすると、台湾には流行を抑止する程度まで抗体保有率が高いという事ではないでしょうか。最初にはやったバージョンは致死率が低く、とくにヨーロッパでアウトブレイクしたバージョンは、非常に危険と考えることができます。台湾は国家を封印したのが早かったので、非常に危険なバージョンはまだ入り込んでいないという事ではないでしょうか。既に抗体の保有率が高いと言うことは、危険なバージョンにもある程度抵抗力があると考えられます。

 つまり、患者の数はもうあまり重要ではなく、症状が出ている人、重傷になりそうな人への対応が問題なのです。そろそろ対策の方針を転換しなければならない時期に入っていると思います。いずれにせよ、台湾の事例を日本はもうすこし詳しく調べる必要があると思います。